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本当に大事なことに集中するための人生論。世間や他人に振り回され、消耗するあなたへ

『マンガでよくわかる エッセンシャル思考』 グレッグ・マキューン (著) 星井博文 (著) サノマリナ (著) 高橋璃子 (翻訳) 単行本(かんき出版)

マンガでよくわかる エッセンシャル思考

【概略】

99%の無駄を捨て1%に集中する

私たちは、膨大な情報と選択肢が存在する時代を生きています。

いくつものことを同時にこなせることが優秀な証だという考え方が蔓延し、人々は皆、忙しい日々にもっと多くの活動を詰め込もうと奮闘しています。

「全部手に入れよう、全部やろう」とするうちに、私たちは何かを失っていきます。

自分の時間とエネルギーをどこにそそぐか決められずにいるうちに、上司、同僚、顧客、家族など誰かが私たちのやるべきことを決めてしまいます。

そうして思考停止に陥り、自分にとって何が本当に大事なことなのかわからなくなるのです。

(中略)

より少なく、しかしより良く

エッセンシャル思考とは、この「より少なく、しかしより良く」を追及する生き方です。

ときどき思い出したようにやるだけでは、エッセンシャル思考とはいえません。

新年の抱負で、「もっと仕事を断ろう」と宣言してみたり、たまに思い立ってメールボックスを整理したりするのではなく、

「今、自分は正しいことに力を注いでいるだろうか?」と絶えず問い続けるのが、エッセンシャル思考の生き方です。

(本文p18~20より引用)

【みどころ】

☆エッセンシャル思考について

3つの思い込みを捨て、3つの真実に置き換える

エッセンシャル思考はたくさんの些末なものごとのなかから、少数の本質的なことだけを選び取る、つまり「99%の無駄を捨て1%に集中する」考え方です。

この思考は、より多くの仕事をこなすためのものではなく、やり方そのものを変えるためのものです。

それには、次の3つの思い込みを克服しなくてはなりません。

「やらなくては」

「どれも大事」

「全部できる」

これら3つの嘘を捨て、3つの真実に置き換えるのです。

(本文p20、21より引用)

エッセンシャル思考とは端的に言って、人生を混乱させる様々な問題(や人付き合い)を、思い切って99%捨てよう!という考え方。

この数字の大きさに、本当にそんなことが可能なのかな?というのが第一印象。

だって、大事なことってたくさんある気がするので…。

でも、『沢山ある気がする』だけで、実は大事なものは滅多に無い

とも筆者は説いています。

上記の3つの思い込みは、

「やらなくては」ではなく、「やると決める」

「どれも大事」ではなく、「大事なものはめったにない」

「全部できる」ではなく、「なんでもできるが、全部はやらない」

という真実に置き換えられるそう。

特に、『なんでもできるが、全部はやらない』という表現がお気に入り!

ポジティブな表現の方が、より、あえてやっていないという、能動的な選択を表していると感じます。

1つ目は選択、時間とエネルギーの使い道を選び、

2つ目はノイズカット、世の中の大半のことはさして重要ではない、

3つ目はトレードオフ、どの問題が自分にとって大事か?を見極めること

人生において何が大事かという方向性を見失ってしまうのは、それだけ、

  • 情報が溢れた時代に生きている
  • 『すべてを手に入れよう』というメッセージが流布している

からだと筆者は言います。

上記のことを主婦である私の人生に置き換えると、SNSで他人の生活を見たり、企業の新商品やイベント情報が常に更新されるたびに焦り…

結婚しても子どもを産んでいても輝き続けよう!という、正に、すべてを手に入れた方が女性としては勝ち組であるかのようなメッセージは、常にそこかしこにある気がしています。

こういうものを真実(というか王道?)と思わずに、自分の人生に当て嵌めようとして消耗するよりは、『本当に大事にしたいこと』のみに、集中する生き方をしよう、というのが本書の狙いであり、ぜひ取り入れたいところ。

☆とっても大事なトレードオフという概念

トレードオフはなぜ起こるのか?

何かを選ぶために、何かを捨てること。

これをトレードオフといいます。

そもそもトレードオフが起こるのはどちらも捨てがたいような状況ですから、非エッセンシャル思考の人は、「どうすれば両立できるか?」と考えます。

しかし、すべてを優先しようとするのは、何も優先しないのと同じです。

エッセンシャル思考の人は、もっとも大切なものだけを選びとります。

その際、「何を諦めるのか?」ではなく、

「何に全力を注ごうか?」と考えるのです。

小さな違いですが、積み重ねると人生に大きな差がついてきます。

家族、友人、健康、仕事。

それらの利害が衝突したとき、私たちはこう問わなくてはなりません。

「自分はどの問題を引き受けるのか?」

これはタフな問いであると同時に、より大きな自由につながる問いです。

(本文p60より引用)

情報や選択肢が溢れる現代だからこそ、トレードオフの概念は捨て置けないもの。

結婚して子をもうけると、その忙しさは男女ともに加速し、仕事、家事、育児に追われる家庭も多いとは思います。

その全部に全力を注ぐことは、睡眠時間を削る以外、それか多額のお金を使って外注しない限りは不可能で…。

多くの選択肢を諦めたというよりは、自分にとっての大事なものに力を使う

という、タフで潔い決断は、その後の人生に大きな変化をもたらしそうです。

SNSに料理をupするのが好きで、見栄えも意識して頑張っていました。

が、そうすると、

  • 出来立ての料理が冷める
  • 気に入る構図が撮れるまで粘ってしまって段々イライラしてくる
  • 好きで作った料理が、「不特定多数に誉められるための料理」になってしまう

などなど、料理が好きで作った・家族を喜ばせるためという目的から大きく外れていることに気付き、撮ってもupするのは止めました(それか気の向いた時だけ…)。

自分にとって一番大事なのは、「家族と出来立ての料理を味わう」ことのみ。

なにかを選びとると、それまで拘っていたことが大した問題でないことに気付けたり、選びとった事柄を今まで以上に大事にできることに気付けました。

何かにつけて選択する機会は多いものですが、一番大事なことを見極める、実行する思考の癖は、人生の時間を大切にする意味でも、人生を充実させる意味でもとっても大事だと実感しています。

☆90点以上は切り捨て&切り捨てる際の断り方

マンガでよくわかる エッセンシャル思考

星井博文、サノマリナ:マンガでよくわかる エッセンシャル思考(かんき出版)

見極めるために考える時間をつくるー孤独

「深い孤独がなければ、まともな作品はつくれない」

これは、パブロ・ピカソの言葉です。

エッセンシャル思考の考え方でいけば、仕事が忙しくなればなるほど、考える時間を確保することがより必要になります。

多数の瑣末なことのなかから少数の重要なことを見分けるためには、誰にも邪魔されない「孤独」な時間が不可欠です。

まともにものを考える時間がなければ、自分のキャリアも企業の展望も見えないまま目の前の瑣末な問題に追われ、いつ果てるともしれないプレゼンや議論にどんどん時間を奪われていきます。

(中略)

何事も、まず選択肢を調べないことには、本質を見極めることはできません。

生活がノイズに満ちてくればくるほど、静かに集中して考えることができるスペースが必要になってきます。

エッセンシャル思考における集中とは、単にひとつの問題を考え続けることではなく、100個の問題をじっくり検討するための余裕を確保することです。

それは、目の焦点を合わせる作業に似ています。

ひとつのものに固執せず、つねに視野全体を把握して焦点を調整するのです。

(本文p82、83より引用)

マンガでの解説では、

『90点未満は0点と同じと考える』

と、描かれています。

テストの感覚でいえば、90点は高得点…。

くだいた表現で言えば、めっちゃやりたい!と思える仕事や事柄でないかぎり、中途半端な気持ちで何かに取り組むのは損に繋がる、と筆者は主張します。

マンガでは、全員分の連絡帳をつけることを止め(この選択がエッセンシャル思考)、もともと大好きだった読書の時間を確保した主人公が新たに取り組んだのが学級新聞。

学校での出来事、子ども達の様子を父母や子どもに伝えるのに好評だったことが他のクラスの担任に伝わり、学年全体の新聞を作って欲しいと依頼されます。

ところが他のクラスの情報がいつまで経っても貰えないことから、自分の仕事までも滞り、引き受けたことを悩み始めるように…。

体感としては、学級新聞を作成したい気持ちは95点以上、学年新聞は75点くらい。

もしも、これがどちらも高い点数であるならば、自分のペースで仕事をしたはずで、エッセンシャル思考を教えてくれる友人から、『断りにくい人からの依頼だったから、なんとなく引き受けることを選択した。』と見透かされてしまいます。

そこで冒頭の90点ルールを思い出すと、

  • シンプルな数字で物事をやるかやらないか決めることが合理的、論理的な選択に繋がる
  • 感情が入り込む余地を無くす
  • 妥協は損に繋がる
  • 低い基準は無駄なことに振り回されることに繋がる

本当にやりたいと思うことに注力する方が納得して仕事に打ち込めるし、得意なことを追及したことで、自分の強みが増すと説いています。

なかなか取り入れるのが難しそうですが、実は良いことづくめな90点ルール。

物事を選ぶ際に迷わないコツは、基準をとことん厳しくすること、だそう。

とはいえ、断るのって勇気が要りますよね。

何が自分の成長に繋がるか分からないし、やりたくなくとも断りにくい状況も幾らでもありますし…。

この辺の上手な断り方は、本書のpart3でレパートリー豊富に解説されているので、ぜひ参考にして頂きたい項目です。

選ぶことは一人でもできるけど、それを選ばない(やらない)理由は人が絡んでくることも多いので、その時に巧い言い回しは大人なら身に付けたいところ…!

☆子どもの声をきく

エッセンシャル思考のなかで大切な要素のひとつが「遊び」です。

本当に重要なものごとを見極め、クリエイティブな発想を得るためには、遊び心が必要です。

しかし、それをまったく理解できない、受け入れられない、と感じる人も多くいるようです。

成長するにしたがい、私たちはだんだん遊びを忘れてしまい、

「遊びなんてくだらない」

「時間の無駄」

「幼稚」

という考えを持つようになっていきます。

しかし、子どもの頃に夢中になっていた遊びこそ、人間にとって不可欠な行動です。

精神科医のスチュアート・ブラウンは、6000人を対象に遊びと成長の調査をおこない、遊びによって体が健康になり、人間関係が改善され、頭が良くなり、イノベーションが起こしやすくなるという結論を得ました。

「遊びは脳の柔軟性と順応性を高め、創造的にしてくれます」と彼は言います。

「遊びほど脳を奮い立たせる行動はほかにありません」

(本文p90、91より引用)

本書のなかでも、断トツに好きな項目です笑

だって、遊ぶことにこんなにポジティブな情報があるとは知らなかったので!

自分自身も、子どもに対しても、遊ぶよりももっと多くの勉強(や課題)をこなそう…と考えていた身にとって、こんなに嬉しい情報はありません(∩´∀`)∩♡

これを提唱した、精神科医のスチュアートブラウン氏のTedにも詳述されていますが、遊びの効果は、

(1)選択肢を広げてくれる

遊びは、それまで気づかなかった可能性や、思いがけないつながりに気づかせてくれます。遊ぶことで、私たちの視野は広がり、常識にとらわれないやり方が見えてきます。

(2)ストレスを軽減してくれる

最近の研究によると、ストレスによって感情をつかさどる部分(扁桃体)の働きが強くなり、認知機能をつかさどる部分(海馬)の働きが弱くなるそうです。その結果、うまくものを考えられなくなってしまいます。

遊びは、このストレスを軽減してくれます。

(3)脳の高度な機能を活性化する

精神科医のエドワード・M・ハロウェルは、「(遊びは)脳の実行機能に良い影響を与える。実行機能とは、計画、優先順位づけ、スケジューリング、予測、委譲、決断、分析など。つまり、ビジネスでの成功に不可欠なスキルの多くを含むものである」と述べます。

(本文p91、92より引用)

大人になってから外遊び(公園でバドミントン)をしてみて感じたんですが、遊びって、どうやったら楽しく遊べるか、上手くいくかを考えたり、相手とやる場合はいかにして勝つか?という策を練ったりそれによって体の使い方を考えたり…と、思っていた以上に高度なんですよね。

なにより興奮するし楽しい!

遊び程、あらゆる課題や刺激を与えてくれるものは無いなぁと実感しました。

それゆえに、脳にも精神にも、そしてもちろん体にも健康効果として良い結果をもたらす、というのは大いに頷けます。

大人であったら遊びを人生に取り入れることで仕事のパフォーマンスや創造性を向上させ、仕事に立ち向かうストレスを和らげてくれるそうです。

子どもの頃に遊んだ記憶を思い返してみても、そのどれもが刺激的で楽しかったことを考えると、大人になってから制限することはないんでしょうね(免罪符的だが…)。

Twitter社の前CEOであるディック・コストロ氏は社内にコメディのクラスを創設したり、

デザインコンサルタント会社のIDEO(アイディオ)は小型バスの中でミーティングをおこない、シリコンバレーにあるGoogle本社の敷地内には恐竜の化石の模型があったりビーチバレーのコートがあったり、ピクサースタジオの例が挙げられていたりと、、

世界的に活躍している企業の遊び心が窺い知れるというもの。

学びの多い本書ですが、マンガで説明されているので、エッセンシャル思考に平易に触れることが出来るのが魅力的。

ご紹介した内容の他に、

  • 具体的かつ魅力的な目標の立てかた
  • 過去の損失を切り捨てる(サンクコストバイアス)
  • 止めたいことを試験的に止めてみる方法(プロトタイピング)

などなど…

自分の人生において、

何が重要か?

を、あらゆる視点やメソッドを用いて見つめ、集中する方法が満載。

ぜひ!

【感想】

友人に、知ってか知らずかエッセンシャル思考を地でいってるなぁと感じる人がいます。

彼女とメッセージのやり取りをすると、毎日時間を決めて返事をしてくれるのだなと気付き、私自身も、人生の時間の使い方にもっとメリハリを持たせたい、と大いに刺激を貰います。

平日だったら朝の通勤電車の中、お昼休憩、夜は返信をしない、休日は午前中のみで午後は家族や友人と会う時間を優先するのが彼女のリズムだと感じ取っているのですが、私はガラケー時代から着たメールやメッセージは即返信タイプ( ;∀;)!

それだと、相手の返事が気になってしょうがないんですね。

『この時間以外はやり取りをしない』ときっぱり決めた方が、ダラダラと使わなくて済むのは分かっているので、本当にここは改善したいところ!

(iPhoneユーザー様には伝わると思いますがスクリーンタイム(どのアプリをどれだけ使ったかの累計時間)がえらいことに…)

エッセンシャル思考は99%の無駄を捨てよう!と銘打っているので、やっぱりそんなこと可能なのかな~って考えが付いて回るんですが、読んでみると実践方法は意外とシンプルで、実行できそうなものばかり。

マンガでわかるシリーズなので、エッセンシャル思考を教えてもらった主人公が、段々と思考のクセを変えて、人生そのものを少しずつ変えていく様は勇気を貰います。

特に日本人は、はっきりノーと言わないとか、とりあえず引き受ける(安請け合いともいう)ことを美徳とする風潮がまだまだ根強いと思うので…

お互いに本音を大事にした付き合いをしたいところ。

子どもがいるので、学校行事やptaの活動を振られることもあるとは思いますが、その時にはこの概念を大いに実行していきたいと思う所存でした。

今日もお読みいただき、ありがとうございました!

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