17歳のもうひとりのあきらーー近藤の想いのゆくえ

2019-01-07

『恋は雨上がりのように 9巻』 眉月じゅん(著)ビッグコミックス(小学館)

【あらすじ】

クリスマス前にマフラーを編み上げ、吉澤に想いを伝えたユイ。

その結果を知らぬまま、あきらは…!

 

季節が巡り、人も、場所も巡りゆく中で、

店長が手にするもの、そしてあきらが見つめる先にあるものはーーー?

(裏表紙より引用)

 

【みどころ】

眉月じゅん:恋は雨上がりのように 9巻(小学館)

『今のあんたに元気をつくれる?』

 

意中の相手、吉澤に想いを伝えるも、振られてしまったユイ。

 

あきらからのLINEも返さず、姉に借りた物も返さず、失意のまま部屋に引きこもってしまう。

 

そんな元気のないユイを見てピンときた姉は、『失恋ごときでクヨクヨすんな!』と一喝。

 

美容師になることを夢見るユイに、

美容師、美容室の役割は、綺麗にするとか心機一転のほかに、お客様を元気にする場所でもある。

 

どんなに辛いことがあっても、人を元気にするためにも、負けるなと咤激励!

 

眉月じゅん:恋は雨上がりのように 9巻(小学館)

『その地にとどまって得る幸せもあるかもしれないね。』

 

クリスマスに、はるかと叔母と京都に行ってきたあきら。

久しぶりに会った近藤との会話の中で、ツバメの巣の話に。

 

ヒナが巣立ったあとの巣を壊したという話を聞いてあきらは、

 

『もしも仲間と一緒に飛び立てなかったら、そのツバメはどうなるのか?』

 

と、自分に重ねたように問いかけると近藤は、

 

『飛び立てなかったとしても、それなりに幸せにはなると思う。仲間たちのことも忘れて…』

 

『だけど、諦めて飛び立たなかったとしたら、きっと毎日、空を見上げることになる。』

 

眉月じゅん:恋は雨上がりのように 9巻(小学館)

 

京都土産の、しおりをもらった近藤。

 

それを見つめて、おもむろに書き始めるのは原稿。

 

ついに再び、文学への情熱が目を覚ます。

 

眉月じゅん:恋は雨上がりのように 9巻(小学館)

『この頃店長のこと見てると、あたし少しさみしいです…』

 

動き出したことで、寝不足だけど充実している近藤。

仕事もてきぱきとこなし、あまりとりつく島はない…。

 

近藤の息子・勇斗のブームは糸電話。

 

近藤の誕生日を聞くと、思いがけず本人からの返答笑

 

糸の切れた糸電話に向かって思いを呟くあきら…。

 

少しずつ距離が生まれてきてしまったことを感じ取っていた。

 

眉月じゅん:恋は雨上がりのように 9巻(小学館)

『俺も もっと高く翔べるんじゃないかって思わせる…』

 

作家の謝恩会にて売れっ子の作家が17歳の現役高校生だと知ったちひろ。

 

文学に明るく、情熱に溢れた少年を気に入った彼は、少しずつ感化されていく。

 

もう一人のあきら曰く、

『何かに打ち込む人は美しい』

 

純真な若者たち。

 

ちひろの言葉に思うところがある近藤は…。

 

眉月じゅん:恋は雨上がりのように 9巻(小学館)

『もう一度、よく考えてみて。』

 

検診でリハビリの案内を渡されるあきら。

 

あきらが動き始めようとしていることを感じ取ったのか、

 

『来年の春にはきっと』と希望の言葉をかけられる。

 

物思うあきらは…。

 

【感想】

いよいよ佳境に!

”止まったまま”の二人でしたが、先に動き始めたのは近藤。

そこは年齢の差でしょうか?

でも17歳の挫折と45歳の挫折だったらどちらが立ち直り早いんだろう。

 

失恋したユイも立ち上がり、はるかはさらに進み、いよいよあきらも…!

 

パワーに溢れた17歳、私も出会いたい笑

 

今日もお読みいただきありがとうございました!

七草がゆを食べました(`・ω・´)

 

 

既刊リンク

眉月じゅん

一番純粋な、好きなものへの本当の気持ち。ーークリスマス目前

再始動の刻ーーあきらの想いのゆくえ

 

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