東洋の魔窟、九龍で織りなす男女のラブロマンス、ディストピアーー
『九龍ジェネリックロマンス 1巻』 眉月じゅん(著)ヤングジャンプコミックス(集英社)
【あらすじ】
日常を非日常(ドラマ)に変える
物語をこえた恋物語。
此処は東洋の魔窟、九龍城砦。
ノスタルジー溢れる人々が暮らし、
街並みに過去・現在・未来が交差するディストピア。
はたらく30代の男女の
非日常で贈る日常と
密やかな想いと関係性を
あざやかに描き出す
理想的なラヴロマンスを貴方にーーー。
(帯文、裏表紙より引用)
☆既刊情報
【みどころ】
眼鏡×巨乳×黒髪ショートヘアな美女、鯨井令子。
東洋の魔窟、九龍城砦の一室に住む彼女は、朝食にスイカと煙草を嗜む変わり者。
『バッカヤローー』
鯨井と同じく九龍の不動産【旺来地産】に勤める、工藤。
ガサツで大人げない性格のため、物静かな鯨井とたびたび衝突するものの…
従業員が少ないのもあってか一緒に仕事をしたり食事をしたり、なんやかんや馬が合う様子の2人笑
『俺はこのなつかしいって感情は 恋と同じだと思ってる。』
定時を迎え、ゴミの消却をする鯨井と工藤。
昼食時、工藤馴染みの店ではなく九龍に新しく出来た店に行きたかった鯨井は、新しい物が生まれては消えてしまう”九龍の不思議な特徴”とも思しき雰囲気に疑問を持つが…。
『九龍は変わらない。変わっちゃいけない。』
と、独自の価値観を呟く工藤。
不動産を経営する支店長も、
『決して住みやすい街では無いはずなのに、住人が減らない。』
と。
九龍には”なつかしさ”を特段感じない鯨井。
でも、工藤には時々”なつかしさ”を感じるという鯨井の言葉に、彼の思いは…。
『人類の新天地となるジェネリック地球。』
ジェネリック地球(テラ)と呼ばれる、地球とは別の新たな居住地を造っている政府。
政府計画と銘打っているものの、その実裏で指揮しているのは民間企業という噂。
”人類のロマン”と謳われ、ジェネリック地球には支持派も多い様子。
これが何を意味するのか1巻時点では不明。
『なじみの店…?』
九龍の新しいお店、新しい情報に惹かれる鯨井とは対照的な工藤。
懐古的な彼に連れられて行ったのは、”九龍の真髄”とも思しき食文化や人との交流。
最後に訪れたのは、【金魚茶館】と書かれた純喫茶。
鄙びた店内にいる店員の男性と工藤は顔見知りの様子。
『工藤さん知ってます?スイカ食べた後にタバコ吸うとおいしいんですよ。』
初めて来たはずの金魚茶館で、『お好きですよね?』と出されたスイカ。
迷わず手をつけ、頬張り煙草を嗜む鯨井。
物語冒頭でもあった独特の好みを語る鯨井に、面食らった表情を見せる工藤。
『以前同じこと言ってた人がいた。』
と答える工藤。
『知ってるクセを見つけたら嬉しいし、そのクセの持ち主を思い出せる。』
と寂しげな瞳をする工藤は、愛しい人のことでも思い出しているのだろうか…
という印象を抱かせる。
同じ職場の人間だっただけの工藤が、少しずつ自分の中で大きくなっていくのを感じていた鯨井は…。
『工藤さんがまた彼女さんを連れて来てくれて 嬉しいです』
『思い出せるだろ、そのクセの持ち主をさ』
工藤と過ごした時間、店員さんから言われた言葉を反芻する鯨井。
工藤に恋人がいること、店員さんが自分を工藤の恋人だと勘違いしていること、そして、自分の中の想い…。
物語のなかで散りばめられた数々の謎が集まり、一つの奇妙な現象へと集約されていく展開へ。
1巻時点では、何もかもが不明なまま終了。
中華文化×SF×ラブロマンス
そしてノスタルジー…
最高!
【感想】
となりのヤングジャンプにて、第一と第三金曜日に更新でしょうか?
第一話から数話無料で読めます!
恋雨が大好きだったので、迷わず作者買い!
ディストピアを舞台にした大人の恋愛…
キャッチコピーから、一体どんな内容なんだ?と思ったら、ラブ要素よりもSF、ノスタルジックな要素が強くてびっくり!
鯨井と工藤のやり取りが、何気ないようで何かを意味している空気感にドキドキしたり、物語に張り巡らされた伏線がとにかく謎めいていたり、1巻にして魅了されまくり!
うーん2巻はいつ出るんだろう、、、( ;∀;)
今日もお読みいただき、ありがとうございました♪
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