“本当の問題”について気付き始めた凪と、お母さんの置かれた状況と――?
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『慣れてしまえばいいのに』
凪のお母さん、大島 夕のターン。
自分の人生をひと言で言い表すなら、”ちゃんと良好”らしい。
いつも笑顔でおっとりした彼女の周りは、田舎特有の閉鎖的な空気に満ち満ちている。
夕さんは母親(凪にとったらお祖母ちゃん)との二人暮らし。
人間関係は、いつも誰がどれだけ幸せか見張り合って、出る杭は打って平らにならそうとする人ばかり。
自分の悪口にも不在者の悪口にも、不当な扱いにも、老いてく体にも朽ちていく家にも、すべてどうにもならないこととして受け入れていた。
『お母さんをこの地獄からちゃんと 連れ出してね』
自分が生きる環境を受け入れてはいる。
けれどそれは…
東京に逃がした凪がのちのち、自分をここから救い出してくれると信じているから。
あくまで今の環境をどうにかしようとする意思はない様子のお母さん。
周りの人に、『だからあなたはダメなのよ』と言われるさまは1巻の凪そのまんま!!!
凪にとったら最大の難点であるお母さん。
お母さんはお母さんで色々抱えている感じがリアル…。
でも幸せは、誰かが用意してくれるものじゃなくて自分で気付くものなんやで…。
夕さんの同年代のお母さん方(つまり子供がアラサー)も、子どもを手持ちのコマみたいに考えて、誰がどれだけのステータスやスペックを持っているかを期待して張り合って重たい。
『調子がよくて 根はイイ奴』
再び凪のターン。
取り繕って新しい仕事探しはしばし脇に置いて、、、
年が明けてすぐ、いよいよお母さんが上京してくるため、様々な手段で
- 二人っきりになること
- 家に招くこと
を避けようとするが、”彼氏に会いたい”という要望にだけは頭を抱えていた凪。
凪とお母さんの関係を周囲は流石におかしいと感じるが(凪の根本的に解決すべき点でもある)、背に腹は変えられないため、話を合わせてくれるような彼氏の代役を立てればイイのでは?と提案。
5巻では問題の多そうな人として描かれていた桃園さんだけど、その後は打ち解けて、なおかつ割とちゃんとした職に就いてて、凪の性格と事情を汲んでくれるような人として抜擢された笑
…
今現在、お母さんの思うような人生を歩めていない自覚のある凪。
すべて本当のことを伝えられたらどんなに楽か…。
一方的な期待を掛ける母のことを、自分にとっての最大の難点と捉えつつ、
自分にも似たような点があると気付き始める凪。
少しずつ少しずつ、いい方向に行ってる!
頑張れ凪!!!
【感想】
6巻も面白かったー!(∩´∀`)∩
体裁を整えるように、小さな粗に目をつぶる凪、
少しずつ前を向くようになった(なってないかも)慎二、
凪への想いに気づきそうなゴン…
この中だったらゴンが一番平和だし進展もゆっくりなんですが、ここから
誰かと誰かがくっつくとか有り得るのかな?
凪の終着点は、(お母さんの影響を受け入れ、人の言葉に揺らぐことなく)
自分の価値観で自分の人生を生きること、どんな自分でも肯定すること
だと私は思っているのですが、その過程に恋愛って必ずしも必要ではなくて…。
恋人がいないこと、結婚していないことに凪が引け目を感じないならもうそれは幸せな状態だと思うんですよね。
お母さんの思う、”ちゃんとした人生”をむりやり自分に当てはめようとするから苦しいわけで…。
人間、得手不得手があって、できないもの・理解できないものはできないと思うんです。
同性を愛する人に異性愛を説くこと、
特定種目のスポーツ選手に他の競技をすすめること、
絵を描くのが好きな人にそれを辞めさせること、
何が何でも無理なこともあります。
私は金輪際本を買ってはダメと言われたら死ねるかな…。
凪のお母さんが置かれた状況では、”人生とは(男とは女とは)こういうものだ”と思っている人が沢山いて、その価値観の元、人を軽い気持ちで採点しまくります。
そういう枠にはまらず生きている人の気持ちなど多分想像もできないような感じで。
理解は共感は難しくても、人が置かれた状況やその人の持ち味を尊重するってことは、凄く大事なんじゃないかなぁと思います。
凪はお暇中に、色んな人に出会って少しずつ価値観が変容し、嫌悪していたお母さんのことを理解しようとしたり、自分にもその片鱗があることに気付いたりしていきます。
今後、凪がどんな風に変わっていくのか…。
どんどん面白くなっていくので、はやく続きが読みたいです(`・ω・´)
7巻発売日は未定。
今日もお読みいただきありがとうございました!
ディスカッション
コメント一覧
こんばんは、とむです。お久しぶりです。
コメントは久々ですが、いつもレビュー見て楽しませていただいてます。
ポエリさんが凪のお暇の感想を書いてらっしゃる!!と思わずコメントしてしまいましたw
お母さん、張り付いたような笑顔か濁った眼をした顔しかなくてめっちゃくちゃ怖いですよね…
個人的な憶測ですが、凪のくるくる頭は蒸発?したダンナ似なのかなと…お母さんが実はクセ毛を隠してるパターンも考えたんですが、1巻で凪が小学生の頃からストレートを強要したり未だに電話越しに髪型の確認までするとか執着ハンパないなと思いました。
慎二の実家もうわべだけステキで中はザラザラに渇いた感じでしたが、大島家は田舎の普通の家庭の中に一人だけエイリアンがいるようなグチャッとした異質さを感じます。
(おばあちゃんも偏屈でめんどくさそうなんですが、まだ人間の範疇に収まってるというか…クマの帽子かぶってるのかわいいって思っちゃいましたw)
ここから凪は慎二の力も借りて巻き返せるのか…でも今回の作戦自体がお母さんをやり過ごそうという消極的な理由からだし、1回は負けそうな予感がします。
ポエリさんの言う通り「自分の価値観で自分の人生を生きること、どんな自分でも肯定すること」が凪のゴールですよね。最初の方で焦って畳みかけようとしたように、凪はまだその境地に至ってないのでまだまだ波乱がありそうです。
ドラマは原作とだいぶ違ったものの最後まで面白かったので、原作も大団円であってほしいなーと願ってます…
お久しぶりなのにまたも長々とすみません、また考察楽しみにしてます。
暑かったり肌寒かったり安定しない季節なのでご自愛ください。
とむさんこんばんは!コメント嬉しいです(≧▽≦)♪
変わらずご来訪頂けて、有り難い限りです。
凪のお暇、なんだか惹かれるものがあり刊行当初から読んでいます(^^♪
凪のお母さんこと夕さん、なかなかの強キャラでしたよね…。
親でありながら自分のことしか考えていない様子に、凪が不憫だと感じました。
凪父のことについて今まで触れていないことからすると、今後作中で出るのかなぁという気がしなくもなかったのですが、とむさんの推論も面白いですね笑
かなり特徴的な天然パーマですもんね、もし何かの意味があるんだとしたらそれも見物というか(∩´∀`)∩
おばあちゃんへの感想まったく一緒ですwクマの帽子もちゃめっ気がありました笑
あのキャラクターはまだ人間味がありますよね…だからこそ、お母さんの異質さというか、残念さが際立った気もします。
一先ず取り繕うのがいいのか、ありのままをさらけ出すのがいいのかって言ったら相手が相手なだけに難しいですよね(>_<)
いつかの為にも…凪は少しずつでも母親に対峙する術を身に着けた方が良い気がしますが。
せっかくのお暇で学んだこと、変われてきたことを糧に、自信をつけてほしいですよね、凪には。
最大の敵はお母さんでありながら、そんな彼女に屈する態度を選ぶ凪にあるわけで…。
ドラマ未視聴だったのですが、大団円に終わったんですね!原作はどんな終わり方を見せるのか気になって仕方ないです笑
こちらこそ毎度長くなってしまい申し訳ありません、亀更新のサイトなのに見ていただけて、コメントまでいただけて重ね重ねありがとうございます!
とむさんもお風邪など召されませんように(^^♪