妄言、暴言、追及された合理性――他人を揺さぶる傍迷惑な男と女たち

2019-07-27

『SNSに暴かれる女たち』青咲るそう(著),ほの香(著)(NINO)

 

 

【あらすじ】

「あなたの事じゃないよ?」

という言葉を盾にエアリプを繰り返す女。

マッチングアプリで知り合った効率を重視する男。

婚活パーティーで知り合った男を裏アカで査定し続ける女。

 

あなたの隣にもいるかも知れないヤバい男女を描いた、「SNSシリーズ」第3弾となる炎上オムニバス!

(この本の情報 より引用)

 

 

【みどころ】

エアリプ~あなたの事じゃないよ?~

青咲るそう,ほの香:SNSに暴かれる女たち(NINO)

 

青咲るそう,ほの香:SNSに暴かれる女たち(NINO)

『やっぱり茜はキラキラしてるな』

 

高校時代の友達との女子会に参加しているのは主人公の理子と、その友達の茜

少しぽっちゃりして地味目な理子は、【華やかな世界】とほど遠い人間、と自覚しているお人好しな女子。

グループの中でとりわけ可愛くて華やかな茜と友達でいることが、理子にとってのささやかな自慢。

茜は確かに顔は可愛いが、集まりには毎度遅刻し、SNSでしょっちゅうエアリプしては周囲の関心を無暗に引いたり、『誰のことでもないから何を言ってもいい』というような無責任な発言を繰り返す、やや腹黒女子。

 

青咲るそう,ほの香:SNSに暴かれる女たち(NINO)

『お待たせ茜 帰ろう』

 

二次会に来た女子会一行、理子がよく行くというダイニングバーへ!

そこで出会ったのは、店長さんの幼馴染だという武田さん

イケメンだと知るや否やグイグイにアピールする茜。

しかし会話の糸口から、とあるアイドルにハマっているという彼と意気投合したのは理子の方。

控えめなのにアイドルの話になると熱弁する理子のことを面白いと思っている様子の武田さん。

…そんな状況を面白くないと思っている茜は、狙った男が自分に関心を持たないこと・自分より下だと思っている理子が優しくされていることで、エアリプで理子のことをこき下ろしてしまう…!

 

青咲るそう,ほの香:SNSに暴かれる女たち(NINO)

『…私だって…黙ってなくていいよね?』

 

それ以来エアリプ満載になってしまった茜のSNS。

直接本人に聞いても謝っても、『理子のことじゃないよ』の一点張りの茜。

 

成すすべのない理子は、しばらくSNS断ちして距離を置いてしまう。

例のお店で偶然会った武田さんに纏わりついている様子の茜。

しかし武田さんは、茜の本性を見抜いているためか彼女に惹かれるどころか、お人好しな理子にアプローチをしていく。

 

理子が選ばれること、武田さんが自分を選ばないこと、

不満が募った茜は、エアリプどころか理子が酷いことを言っているようなLINE画像の捏造を図り、SNSにアップ。

 

おまけに、『理子から嫌がらせを受けている』と武田さんに嘘の説明。

茜にやりたい放題された理子、

反撃に………!出ないしハッピーエンド!

茜は多くのものを失います( ;∀;)

 

効率厨と結婚する方法

青咲るそう,ほの香:SNSに暴かれる女たち(NINO)
青咲るそう,ほの香:SNSに暴かれる女たち(NINO)

『キターーーーーーーーーーー』

会社員で31歳の三橋紗南は、マッチングアプリで絶賛婚活中!

そこで出会ったのは一つ年上の高スペックイケメンである、持田さん。

クールというかやや感情表現の乏しい持田さんに若干の不安を覚えつつも、自分の年齢で出会えるなかで最高スペックを有しているはず…!

と、なんとか食らいつく紗南。

そして、アプリで知り合って一週間目の会食の日、彼の方から結婚を前提に付き合わないかと提案される。

 

青咲るそう,ほの香:SNSに暴かれる女たち(NINO)

『でも こういう自炊って効率悪いよね』

 

会って3回目で同棲をすることになった二人。

それも、持田さんが今現在住んでいるというマンションに移り住むことになった紗南さん。

 

少しでも仲良くなりたい紗南さんは胃袋を掴むためにも張り切って料理を作るが、

外食に比べて材料費や光熱費が割高でコスパ悪いと、思ったことを口にしないと気が済まない性格の様子の持田さん…。

 

その他にも、掃除の方法、飲み会へのコスト、ゲームする時間を無駄といったり、家事の効率化を指摘してきたりと、

かなりの効率厨!!!

しかし今までダメ男とばかり付き合ってきた経験のある紗南さんは、真面目過ぎる性格なのかも…と、いくら指摘を受けても受け入れ体勢。

 

青咲るそう,ほの香:SNSに暴かれる女たち(NINO)

『今日プロポーズするんだし 親との対面も済ませた方が効率いいだろ?』

 

持田さんの性格を分かった上で、結婚したい一心で色んなことに目を瞑ってきた紗南さん。

誕生日が迫ったある日、『大事な話をしたい』と言われ、プロポーズ…?と予感した紗南さんの目の前に現れたのは、自分の母親を連れた持田さん。(紗南さん寝起きなのでパジャマ)

 

プロポーズも親との対面も一気に済ませようとする、どこまでも効率重視な彼にドン引きしつつ…。

 

青咲るそう,ほの香:SNSに暴かれる女たち(NINO)

『とんでもない事故物件だったわ 訂正しとく』

 

そしてドン引きしていたのは紗南さんだけではなくお母さんも!

というのも、持田さんにはまだ離婚していない奥さんと子どもがいるらしく、彼らの存在を伏せた状態で紗南さんとの再婚準備(というと聴こえが良いが…)をしていたという…。

せめてそこは事前に説明するか、色々済んでから新しい関係を作るのが筋では…?

 

焦るあまり打算的な結婚をしようとしていた紗南さん。

持田さんのあまりの効率厨っぷりに、さすがに目が覚めた!

 

持田さんはバッドエンドで紗南さんはこの経験を元にちょっとイイ女に(∩´∀`)∩!

1話目もいいけど2話目もおんなじくらいいい話!

 

裏アカ女の査定のお時間

青咲るそう,ほの香:SNSに暴かれる女たち(NINO)

 

青咲るそう,ほの香:SNSに暴かれる女たち(NINO)

『高弘は同棲中の婚約者』

 

若くして婚活に励むレナは、婚活パーティーで出会った相手を論表しては【毒舌デスうさぎ@婚活垢】という裏アカに書き込む腹黒女子(2回目)。

同棲中の彼についても査定しては裏アカに書き込み、結婚相手の品定めに余念がない(`・ω・´)

 

何が何でもいい男をゲットしたいという動機については描かれていないけど、高収入の人を捕まえて良い暮らしがしたいとかそんな感じかも?

毒舌デスうさぎアカはフォロワー2万人という大人気アカウント。

フォロワー数から見る人気の高さから、世間の女子だって自分のように、世の中にはいい男が少ない、いい男と結婚したいと思ってるはずと思い込むレナ。

※ヲチ目的アカのフォロワーも多数だという事実には気づいていない

 

青咲るそう,ほの香:SNSに暴かれる女たち(NINO)

『うわこの人よく見るとすごいイケメン…』

 

飲み会タイプのパーティーに参加してみたレナ。

セクハラしてくる相手に困惑していたら、咄嗟に助けてくれたのは横山という男性。

正義感が強く容姿も整った様子の彼に一気に惹かれてしまうレナ。

 

一方横山さんはレナの顔に見覚えがあるようで、じっと見つめては何やら考えごと…。

彼と出会ってしまったことでレナの崩壊が始まるのだが、そんなことはつゆ知らず、お互い見つめ合っていい雰囲気なんじゃない?と浮かれるレナ。

 

そして彼とのデートを重ねていくが…。

 

青咲るそう,ほの香:SNSに暴かれる女たち(NINO)

『レナの写真晒されてるの知らないの?』

 

横山さんとデートしたことで顔がSNSに晒され、【毒舌デスウサギの正体】としてレナの裏アカもついに恋人の貴弘さんの目に入ってしまう!

その影響は表のアカウントにも影響し、SNSにも現実世界でも行き場のなくなってしまったレナ、、、

SNSで誰かを誹謗中傷する人が酷い顛末を迎えた様子を何度も見てきたけど、こういうのをやってる方はその危険性に気づいてないんだろうなぁというお話…。

 

今回唯一のバッドエンド!

 

【感想】

次の作品が出るのが早い!前作を書いたのも7月な筈なので、月に2回発売されてる?

一つ目から比べると凄まじいペースですが、サクサク読めるのはありがたい限りです(`・ω・´)

 

今回ハッピーエンドが増えた背景には何があるか正直分からないですが、読後が良いのでこのくらいのバランスもいいかも知れないですね。

SNS系闇漫画はもうほぼ飽和状態だと思うので、少し方向性を変えるだけで作品の雰囲気が変わるのも良いですね。

次…は出るのかな?出てほしい!笑

今日もお読みいただきありがとうございました♪

 

 

既刊リンク

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