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Replacementという呪縛――マミとカヤ、それぞれの恋心のゆくえ

『着たい服がある 3巻』 常喜 寝太郎(著)モーニングKC(講談社)

【あらすじ】

「ロリータ」を初めて街で着た時も、

家族と和解した時も、

背中を押してくれたのは、

個性的にキラキラと生きる小澤の存在だった。

芽生えた恋心。

だが、同時に抱いてしまう劣等感。

「私の”自分らしさ”はつまらない」

そんな考えが、呪いのように

介護実習中のマミを苦しめる……。

「自分は替えがきく存在」だと

思ってしまうあなたに読んでほしい、

「自己肯定感」とは何かを模索する第3巻。

(3巻裏表紙より引用)

【みどころ】

常喜 寝太郎:着たい服がある 3巻(講談社)

『休みにも恋人にも 興味はありません』

カヤと遊んで分かれたあと、偶然出会った小澤。

就職先の店に行くところだという彼が、どんな所で働いているのか気になって付いていくマミ。

初めは一人の客だったけれど、店のオーナーに声をかけてもらったことや、ファッションアイテムを流行らせたことから、大好きな服の道に携わりたいと思うようになったという。

センスが認められ海外で服の買い付けもするなど…

バイト先で知っているよりも、ずっとずっとキラキラしていて凄い存在だと知ったマミは、

『そんな小澤さんに比べて自分には何もないな…』

と劣等感に苛まれる…( ;∀;)

自分が好きなものを表現するとき、いつも背中を押してくれていた小澤。

カフェのバイトも辞めてしまうことから、彼への恋心を自覚する…

常喜 寝太郎:着たい服がある 3巻(講談社)

『あれ…コレ……誰がくれたんだっけ…』

老人ホームで5日間の介護実習が始まったマミ。

初めての経験に戸惑いながらも、一生懸命利用者さんのお世話に励むが…。

誰の目にも留まらない自分、

名前じゃなくて『若い子』と呼ばれ接される中、

『自分は替えのきく存在だな』と思ってしまう。

と同時に、

自分の目から見ても、利用者さんのことをしっかり認識していないことに気づく。

初日で名前と出来事をしっかり覚えていたらそれはそれでかなり気を遣っていて凄いと思うけど…でも、日誌に対して、

誰のことを書いているのか分からない

そして自分さえいない

という視点に気づけたことは素晴らしいと思ってしまう。

自分のことも他人のことも、【替えがきく存在】だと思ってはいけない。

常喜 寝太郎:着たい服がある 3巻(講談社)

『私…実は可愛いものが大好きで…この大好きな服でお礼が言えてよかったです…』

マミらしく、真面目に一生懸命に頑張った5日間。

最後のレクリエーションでは、ロリータに身を包み、カヤとファッションショー♪

戸惑いもあったけれど、自分の良さを信じて&それを受け止めてくれる人がいることを知って、自分らしく頑張れたはず、と挨拶して締めくくる。

短い間にも利用者さんとの交流を通じて本当に色々あったので、このシーンは感動的でした。

マミはいつも一生懸命で丁寧。

それは間違いなく【替えがきかない】し、最大の美点だと思う。

誰かを傷つけないように考えたり悩んだりすることの多いマミだけど、その視点を自分にも向けて、自分のことも大事にして欲しいな。

常喜 寝太郎:着たい服がある 3巻(講談社)

『あなたはそれがわかったようだから きっといい先生になれるわ』

利用者さん一人一人に「その人らしさ」があって

介護者一人一人にも「その人らしさ」がある

組み合わせには無限のパターンがあり正解はない、

一人一人が替えのきかない存在だよ

とマミに教える介護士の天野さん。

小澤とのやり取りで、『自分には何もない』と劣等感を抱いていたはずのマミの表情は、

ここでの経験を通じてなにか大事なことに気づけたみたい。

いつも自信なさげで困り顔をしがちなマミだけど…

少しずつ、でも確実に成長していってる!

常喜 寝太郎:着たい服がある 3巻(講談社)

『……?はは 二人はずいぶん仲良くなったんだね』

介護実習お疲れさま会を開くマミとカヤ♪

(二人が仲良いのが嬉しい笑)

服=自分らしさだとかつて思っていたマミだけど、

自分らしさの輪郭がハッキリしてきたからこそ=ロリータが受け入れられた

のではと分析するカヤの言葉に、

自分らしさと好きなものを表現する姿勢が一致してきた喜びを噛み締めるマミ。

マミは顔立ちやスタイルに懸念を抱いていても、

その心が優しくて女の子らしいと周囲に伝わっているためか、ロリータが合うのかも?

上手く言えないけど、カヤの言うことも分かる気がする!

二軒目のお店はカヤ意中のマスターのところへ。

カヤがお手洗いに立った隙に、カヤの良いところをアピールしまくるマミ笑

常喜 寝太郎:着たい服がある 3巻(講談社)

『好きだから』

気を利かせて二人きりにするマミ、

意を決して、ついにマスターに告白するカヤ!

いつもツンツンしてるのでテレ顔の破壊力ヤバい笑

ロリータ服が苦手だというマスターのことを考えて、ロリータ趣味を辞めようかとすら考えていたカヤ…

自分が好きなものを、好きな人のために辞めることは、すごくつらい選択だと思う。

そんなカヤの切実な胸の内を明かされていたマミは、ただただ見守るしか出来なかったけれど、、、

どうなる恋のゆくえ!?( ;∀;)

そして小澤に恋するマミも、『恋人に興味はない』=振られたわけじゃない

と思い直して、再始動する!

自己肯定感の高まってきたマミ、

自分らしく頑張って!

【感想】

毎度毎度感動するんですが、3巻もとっても良かったです( ;∀;)

自分に自信の持てない(ことで定評のある)マミだけど、優しくて真面目でとにかく丁寧なので、人と接するとかその人の良さを見つけることに向いてそうだなと思うし、関わる人らもそれに気づかせてくれているので、見てて面白いです。

作中で『いい先生になる』と言われているけれど、本当にそう思いました。

そんな先生だったら安心して子どもを任せたいと切実に感じる。

ついつい人のことを、替えがきくとかありふれているという目で見がちだけど…

自分のことも他人のことも、そういう風に思ってはいけないんですよね。

この作品は、そういう細かな、でもとても大事なことについて描かれているので大好きです。

4巻は7月23日発売予定!

発刊ペースが早いので嬉しいです(∩´∀`)∩♪

今日もお読みいただきありがとうございました!

既刊リンク

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