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Identityという『聖域』――自分の気持ちを愛すること、偽らないこと、それは誰にも邪魔出来ない。

『着たい服がある 1巻』 常喜 寝太郎(著)モーニングKC(講談社)

【あらすじ】

「ロリータ服を着たい」

それは、女子大生・マミの誰にも言えない秘密だった。

家、学校、職場……社会の中で「自分らしく」あるために、

マミはもがき、傷つき、やがて答えを見つけていく――。

これは、ただの「服マンガ」ではない。

他者との関わりに悩む全ての人へ贈る、

真の「自分探し」物語。

(裏表紙より引用)

【みどころ】

常喜 寝太郎:着たい服がある 1巻(講談社)

『おまたせっ!!』

小林マミは22歳の大学生、

高身長

ハッキリとした顔立ち

それらポテンシャルは、彼女のすきな「可愛らしい」雰囲気のものと、たびたびミスマッチを起こしていた。

友達にも指摘されるように、マミに似合うのは「カッコいい」雰囲気のものや、綺麗なもの。

常喜 寝太郎:着たい服がある 1巻(講談社)

『でもまぁ…自分の着たい服着る方が一億倍気持ちいいんスよ』

本当は可愛らしいもの、それもロリータ服がとっても好きなマミだけど、

周囲が求める自己像、安定感とそれがかけ離れていることから、自分の気持ちを抑えこんで生きてきた。

マミのバイト先に、姉妹店から応援にやってきた小澤さん(24)歳、

彼が仕事を終えて更衣室から出てくると、奇抜かつ個性的なファッションに身を包んで登場!

『自分の気持ち』を暴力的なまでに表現し、大事にする小澤さんの生きざまに、驚きと衝撃を隠しきれないマミ。

周囲は、

イケメンなのにもったいない、

自分の良さを消しちゃってる、

目立って恥ずかしくないのかな?

など、『普通でいること』を求め押し付け、干渉する。

そんな好奇心を尻目に彼は、

着たい服を着ていることほど気持ちの良いことはない、何を着てどこに行くかは自分で決める

と、揺るがない本心を言葉にする。

常喜 寝太郎:着たい服がある 1巻(講談社)

『きょ…今日…私は変わる』

自分を抑えているマミにとって、小澤さんのようにありのままに生きる人は偉大に映る。

勇気をふり絞れるようになったのは、彼に触発されたから。

大好きなロリータ服を着て、雑誌で特集されていたカフェでレモンティーを楽しむと決めたマミの行動のゆくえ…。

常喜 寝太郎:着たい服がある 1巻(講談社)

『私の「好き」は私のためにあるの!』

ネカフェで着替えていざ出ようとするけれど、

他の利用客の心無い言葉、転んで服を汚してしまうなど、次第に勇気がすり減っていく。。。

涙ぐむマミがふと気づくと店内に小澤さんの姿が!

私服を褒められて少し心の和らいだマミはそのまま、ネカフェでレモンティーを淹れてまったり…。

お目当ての店でレモンティーを楽しめなくても今はこれで十分。

まわりの言う普通と自分の思う普通がずれていても、それでいい。

自分が好きだと思うもの、それは自分の為にある、とかみ締めるマミ。

常喜 寝太郎:着たい服がある 1巻(講談社)

『…笑うヤツより「いい」とか言うヤツより 楽しめてるヤツが一番です』

バイトの帰り道、一緒になるマミと小澤さん。

この間ネカフェで着ていた服は普段は着ないの?と聞いてくる小澤さんに対しマミは、

服が服だしそれは難しい

あの日のことは誰にも言わないで

と、自分が悪いことをしたかのように話す。

そんなマミの気持ちにシンプルに、好きという気持ちを、好きなファッションを楽しんだらいいよと背中を押す。

声援を受けたマミ。

自分らしさを受け止め楽しんで生きている人は強い。

駅のホームで盗撮されて嘲笑われていたロリータファッションの子を助けるまでに(`・ω・´)!

常喜 寝太郎:着たい服がある 1巻(講談社)

『少しだけ自分が かわいいのでは……って思えるんだ』

♥前髪パッツン姫カット♥

に憧れ続けていたマミ。

面長、キリっとした顔立ちにはミスマッチかもと躊躇していたけれど、ついに少しでも好きなスタイル』に近付けることに!

『かわいらしいもの』とは遠い場所にいることを自覚はしているけれど、

大好きな服に袖を通した自分を想像するときだけは、自分のことが愛おしくなる。

好きなものそれを好きな気持ち、それらを、大事にする姿勢を少しずつ積み重ねて行く姿は、とても微笑ましいし勇気が出る(`・ω・´)

常喜 寝太郎:着たい服がある 1巻(講談社)

『………個性を…伸ばす…?』

小学校教諭を目指すマミは、一ヶ月間母校で教育実習につく。

6年生のクラスを担当されるやいなや、挨拶が出来ない、卒業文集用の作文が書けない子・武下くんと出会う。

教員を目指してはいるものの、現職の教師が望む(押し付ける)、「良い子ども」像とは違った自分を自覚しているマミは、それらとは別に彼の個性を伸ばしてあげたいと意見するが、指導教諭にはいっさい届かない。

望むことが出来ないこと=悪いこと

と凝り固まっている大人・教師が、皆等しく一様に『いい子』を作り上げていく場、それが学校という教育現場の真の姿だろうか?

常喜 寝太郎:着たい服がある 1巻(講談社)

『武下くん!!』

指導教諭から求められること、自分が感じている違和感。

その狭間で、子どもという一人の人間との向き合い方を模索するマミ。

そんなマミの姿を、価値観を押し付けては矯正しようとする指導教諭だが、マミの中にも、どんなことが大切なかという彼女なりの信念がある。

望む姿に成っていない子どもにも、大事なもの・嫌いなものとがある

それを受け止めて、個人を知る努力に努める方法とはーー。

みんなに馴染めないからおかしい子?

みんなと違うからいけない子?

みんなと同じように生きていることって個性を殺すほど大事なこと?

マミが大切にしたいマミの気持ちがあるように、

一人ひとりそれぞれ大事にしたいことがある。

自分の本心はどこにある?

【感想】

Twitterでこの漫画を知り、一気に引き込まれました!

好きな服を着る喜びや、思いを表現をする自由を叶えるには、社会にある「異なるもの排除する圧力」と、「自分をつらぬく勇気」と闘わなければならない。

みんな同じ

みんなと違うこと

これら混在する中で、他人に干渉せずにお互いを尊重して生きる術とは?

マミを通して見える他人の姿や言葉、かつて自分が「異質」に対して感じていたことと一緒で恥ずかしくなりました。

自分を貫く小澤さんが、

何を着てどこに行くかは自分で決める

楽しんでいるヤツが一番

などなど、マミのみならず、勇気の出ない自分にも背中を押してくれるような言葉を投げ掛けてくれるのがまた素敵。

現実のリアルな酸いも甘いもしっかり描く骨太なストーリーに期待が止まらない、ぜひこのパッションで駆け抜けて欲しい!

今日もお読みいただきありがとうございました!

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