燃え尽き奪い尽くされた、家族の逆襲が始まる―御手洗家、炎上する1巻
『御手洗家、炎上する 1巻』藤沢 もやし(著)KC KISS(講談社)
【あらすじ】
代々病院を経営する御手洗家が全焼するという不幸な事件があった
原因は妻の火の不始末とされ彼女は燃えさかる家の前で土下座して
13年後、村田杏子は家事代行として御手洗家に勤務となる。
出迎えたのは後妻の真希子。
厳しい基準を課されたが杏子は契約までこぎるける。
しかし、
期待の新鋭が挑む、
(この本の情報 より引用)
家事代行に扮して…
『職業 家事代行』
東京の北西部、木造アパートに住む、山内しずか。
妹と二人暮らしで、マザーズサービスという家事代行業に従事して
歳は25歳で、両親とは離れて暮らす。
『わかるわよね?』
しずかが派遣されてやってきたのは、御手洗家。
13年前、この家では謎の不審火があり家屋は全焼した。
妻の火の不始末との説もあり、離婚。
後妻としてやってきた嫁は真希子。
御手洗家は代々医師の家系で、診療所の隣に建つ戸建て・
真希子は今、主婦向け雑誌の読者モデルをしており、SNSを使っ
そのためには、“自分の人生(仕事や家事)
もちろん、そんなこと(実際は家事を依頼しているという事実)
『13年前の名前は御手洗杏子』
真希子の家事代行の指示は、
- 生活感を完全に無くした美しさ
- モデルルームのようにすること
- 2階には絶対に上がらないこと
- 宅配には出ないこと
- 家のものは盗らないこと
初めからしずかを信用する気など無い真希子。
厳しい目を投げ掛ける彼女を納得させるだけの仕事をやってのける
しずは偽名で本名は杏子(あんず)。
現在の苗字は村田だけれど、本当は御手洗。
御手洗杏子は、全焼した家・御手洗家の長女だったのだ。
『私はどうしても好きになれなかった』
真希子はかつて母の友人だった。
真希子は男の子二人のお母さんで、
杏子の母は体が弱くあまり外には出られなかったため、
自分と同い年で、子どもの年齢も同じというつながりを持つ真希子
しかし杏子には、“ただの友人”とは到底思えない異様さを真希子
幼心にも彼女を受け入れることは出来なかった…。
渡 真希子から、御手洗 真希子になったと知った時、
すべてが手遅れになっていた。
『2階には上がらないで』
家事代行とはいえ、リビングや客間の清掃ばかりで、
さらに深くかかわるきっかけを持てないか…と思案した際に、
妹の柚子から、『一番の得意分野である料理は?』と言われ、
料理で真希子に少しでも心を開いて欲しい&
遠慮よりは拒絶に近いような感覚を覚える杏子…。
『あの家事がお母さんのせいじゃないって証拠が』
2階部分の清掃の代わりに、
そこはほとんどゴミ置場だという真希子、
そのゴミ置場に置かれていた、
かつて母の持ち物であったパンプスを見つける。
最初に掃除をした時に見つけたのはガラスのバレッタ。
友人だった頃、真希子が家に来るたびに持ち物が無くなって困って
杏子があの家に執着する理由は、
離婚後母は、女手一つで子どもを育て食わせるために奮闘し、
杏子のことさえ分からない母。
いつかすべてを思い出したとき、悲しい記憶を塗り替えるため、
『母の人生を 別の人間が歩いていた』
真希子のSNSチェックに余念がない杏子。
見れば見れば見るほど…
母が生きていた人生、
母が生きる筈だった人生、
火事で縁を切り離されたばかりでなく、
家も、物も、父親さえ…母の持ち物をすべて奪い、
家事以降母同士の友情も壊れたことになるのかな?
杏子の母は、真希子を疑いはしなかったのだろうか…。
そして父(夫)も周囲の人間も、
杏子の、『そんな人間の人生が賞賛(いいね)されてたまるか』っ
『ーーーえ…?』
家事を早く的確に終わらせる術を身に付けた杏子。
真希子が帰る約束の時間の前に、
ついに2階へ侵入する。
何がなんでも火事の手がかりが欲しい杏子、
奥から順にドアを開けるはずが、
音楽の鳴る部屋を開けるとそこには、
物が多く散乱した部屋を見つける。
その部屋の住人と思しき者との邂逅ーーー。
人が居るとは思っていなかった杏子、
どうなる!?
【感想】
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藤沢もやしさんといえばKISSで連載されていた『17歳の塔』しか知らないのですが、女子の熾
かつて自分たちが住んでいた家が燃えてしまい、
13年後、ふたたび御手洗家を自然な理由で訪れ『火事の真実』を
真希子が母から盗んだとされるバレッタやパンプスを取り戻したり
ことのあらましがサクッと語られ現在の物語が始まっているので、
- 13年前の家事について
- そこからの夫婦関係
- そして杏子たち村田家のお話
などをもう少し知りたかったかな…今後語られるのでしょうか?
なんとか潜り込んだ杏子ですが、
2階に上がるなと言われていたのに上がってしまい、
その窮地さえ自分が優位な様に出来ないかと思案&行動する杏子が
復讐の未亡人の密のように、知略を巡らせる、
いつもぼーっと生きている私にとっては、とても素敵な存在…。
まあそうなるに至った背景が密にも杏子にもあるので、
恋愛モノを読みがちですが、
今日もお読みいただきありがとうございました(`・ω・´)
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