感想 漫画

悲哀か淫楽かーー艶めかしく美しい未亡人の、執拗な復讐劇ーー

投稿日:2018-08-08 更新日:

『復讐の未亡人 1巻』黒沢R(著)アクションコミックス(双葉社)

【あらすじ】

復讐は気持ちがいいーー

とあるIT企業に勤務する、有能な派遣エンジニア・鈴木蜜。

彼女がその会社に潜り込んだのは、隠された理由があった。

夫を追い詰め、自殺に追いやった者たちひとりひとりへ、借りを返す

 

【みどころ】

「斎藤さん…徹夜ですか?」

 

眼鏡をかけた男性・斎藤に話しかけるのは本作の主人公、鈴木 密

IT企業で働く派遣社員。

開発部所属。

金髪か、それに近い明るい髪色でショートヘアの、寡黙で美しい女性。

恐ろしく仕事が出来るため、職場では『派遣の女神』とも呼ばれている。

 

「あんたのやってる事は 不当行為じゃないんですか!?」

 

密の所属する部署の課長は、『創業者一族』の一人

縁故で配属出来ているようなものなので…無能でも役職がもらえたり、会社に入れたりするらしい。

そんな彼らに刃向かう者は部署ではほとんどおらず、パワハラも横行していた。

唯一意見するのは嫌われても構わないという、正義感の強い斎藤くらい

そして無能課長が口にした『鈴木優吾』という男性こそ、

職場の人間や仕事量に忙殺され命を絶った、密の夫である。

 

「死ぬより もっと辛いめに遭わなきゃ」

 

『陽ちゃん』と呼ばれる男性は密の協力者で、密と同じくあらゆる手段を使って会社に潜り込む。

二人とも、復讐する相手の見当はついているようだ。

斎藤と言い合いになり、次第に体調の悪くなる課長を介抱する密。

薬か強壮剤か、課長に含ませてsexに応じ、じわじわと痛めてつけていく密は、

夫を死に追いやった相手を憎んでいるのかその状況を楽しんでいるのか分からない表情をする…。

陽ちゃんからは、『殺す相手を悦ばせてどうする、変態が』と吐き捨てられてしまう。

 

「ごめん…断れなくて…」

二人目の獲物、古武一也

彼も縁故入社の一人で無能、叔父が同じ部署にいる。

しょっちゅう仕事を周りの人間に押し付けてはサボってばかりいて、密の夫、優吾に対しても日常的に仕事を押し付け、断れば権力を使って降格させると脅していた卑劣な男だった。

優吾の携帯電話にしょっちゅう名前の表示されていた古武のことを密は覚えていたので、生前彼が苦しめられていた事を思い出す…。

 

「それに私は強制した訳じゃないし…」

 

三人目は、板橋かおる

課長、古武は威圧的に優吾を苦しめ続けていたが、板橋は優吾の体を心配しつつも甘えたり仕事を押し付けたり、そんな自分に特に非はないと主張したり、ある意味でタチが悪い存在。

優吾が亡くなった後は、仕事が出来て頼りになる密にまた甘えたりと、自分を振り返ったり反省する様子のない性格。

相棒、陽ちゃんが、復讐の強度を弱めようとするものの、彼女も獲物の一人とカウントしている密は容赦なく実行する。

 

「蜜さん 俺の秘書になってよ」

 

社員食堂でその美しい容姿から存在を社長に知られた密。

ランニングコースが一緒になり、お茶をして談笑していたら気に入られた様子…。

密の存在を良く思わない企画部の取り巻きの一人、佐伯 麻穂が密を牽制するもすでに社長は密に夢中の様子。

 

「この前田を使って佐伯は 気に入らない奴を排除していたらしい」

 

社長に気に入られた事を理由に、企画部で正社員の佐伯に完全に目を付けられた密。

仕様変更を明日までにと詰め寄ってきたり、早速始まる嫌がらせ…

佐伯の交際相手がまた厄介な存在で、身の回りにいる気に入らない相手を彼を使って暴行してしまうし、会社の人間に対してさえ容赦はない。

女相手でも関係なくボコボコにされ、訴えられないように脅しまでする周到かつ性悪な方法で、常に人間関係において優位に立とうとする。

佐伯が異性関係で窮地に立たされた際、優吾の名前を出したことから恋人の前田に殴られたことも分かった

ある日怪我をして帰宅した優吾を不審に思った密の中で、違和感が解消されたと同時に、彼らに復讐する事を決める。

 

「もしもしあつし君?今夜8時」

 

前日、急な仕様変更で迷惑をかけたお詫びという名目で密を夕食に誘い出す佐伯。

もちろん例の彼氏も同行させて、暴行するつもりでいる様子。

 

「密さん あなたは何者なんですか?」

 

手違いから、取引先にウイルスメールを送ってしまった板橋。

斎藤に同行された謝罪の帰り道、職場を去る事を決意する。

そして、課長、古武、そして自分と、優吾に関わった人間が次々に懲らしめられている事に勘付いた板橋は、その恐怖を斎藤に伝える。

仕事がとても出来る優吾が去った後の職場に現れた密に対して、尊敬からいつしか疑問を抱くように。

 

密の返答は…?

社長との関係、

佐伯との関係、

そして密と洋史の過去、

復讐の行く末と結末は…?

 

復讐って、気持ちいい…

 

【感想】

黒沢Rさん、女性ながら内外ともに艶かしい女性を描くので、大好きです!♡

『女性ながら』は差別的かしら…

でも魅力や美点を表現するに、何となく男性目線を感じていて…男性だとお思い込んでいたらまさかの女性!

しかもなんと人妻らしいです笑

『復讐の未亡人』、ネット広告から去年か一昨年くらいに読みましたが、今回の記事のために読み直してもやっぱり面白い!

キャラクターやエピソード、それから構図なんかも好きで、全体に漂う暗い空気と男女の性描写がとかくリアルで引き込まれてしまいます。

タイトルと表紙からして、『美しい未亡人が復讐するんだろうな』というのは大体の方に類推できる事かとは思いますが、

思っていた以上に残酷で、なおかつエロいのは、どちらの要素も好きな私にとっては嬉しい誤算(?)でした笑

黒沢Rさんの著書はこれが初めてなんですが、ほかの作品も読んでみたくなりました。

『復讐の未亡人』に関しては続刊が出ているので、近いうちに!

 

 

既刊リンク

新たな復讐劇の幕開けーー密の過去と、ある少女との邂逅ーー

 


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