ママも子どももハッピーになる!がんばらない子育て
『ママも子どももハッピーになる! がんばらない子育て』 高見 知日子 (著) 単行本(すばる舎)
ママも子どももハッピーになる!がんばらない子育て:概略
かつて私は、子どもが小さかった頃、子育てのストレスに悩み、うまく対処出来なくて円形脱毛になった時期がありました。
逃げ出したくなったことも何度もありました。
一通り子どもの発達を学んでも、ストレス対処の勉強をしても、どうにもならないときってあるのですね。
(中略)
そんな中で、救いになったのは、一つは、近所にいた、子どもを受け入れてくれ、私の嘆きや怒りを、ただ批判せず聞いてくれた友人の存在でした。
それから、『子どもは成長するから』『いつかお互いに分かり合えるときがくるから』
という先輩からの言葉でした。
私は、子どもが思春期の反抗期を超えたら、うそのように落ち着いて『ああ、子どもって育つ力があるのだ、待てばよかったんだ、子どものおかげで、いろいろなことに気づかせてもらえた』と気がつきました。
(中略)
多くのお母さんたちと自身の経験から、私が心の底からそうだなと思ったのは、子育てには悩みがつきものだし、王道や正解といったものはなく、それぞれで試行錯誤を繰り返しながら、ベストをつくすしかないということです。
引用元:ママも子どももハッピーになる!がんばらない子育て
ママも子どももハッピーになる!がんばらない子育て:読み方
- 著者は臨床心理士
- 2児の母
- 2万組以上の親子とカウンセリング
- 子どもの対象年齢は0~就学前あたり
- イライラする理由に向き合う
- ストレス解消法を見い出す
☆イライラしてしまうのは母親失格?
子育ては楽しいし、子どももかわいいけれど、イライラすることもあるし、たまには一人になりたい、自分の時間がほしい、これって母親失格なの?
失格ではありません!
でも、こんな風に考える人もまだまだ多いのかなと思います。
(中略)
そもそも、赤ちゃんや子どもは、こちらの都合はおかまいなし。
親が眠くても、お腹がすけば泣いて起きるし、静かにしてほしいときでも泣いたり騒いだり。
さあ出かけようとしたら、やわらかうんちをしていた、オムツを替えていたら約束の時間に間に合わないーーそんなことは日常茶飯事でしょう。
引用元:ママも子どももハッピーになる!がんばらない子育て
どうしてもイライラしてしまう…ということが悩みだったんですが、その理由が、
自分が何かをしようとした時、中断されるから
または、
思うようにことが運ばないことが多いから
と、書かれていて、母親3年目、3歳と0歳の2児の母である私は目から鱗が落ちました…
今まで本当に気付きませんでした笑
小さな子どもに構っていると、干しっぱなしの洗濯もの、取り込んだだけの洗濯ものの山、掃除機をかけたのは一週間前、、みたいなこと、ザラにあります笑
多くの女性は、結婚前に一人暮らしや同棲を経て結婚→出産→育児となることが多いと思うので、それまで行われていた自分なりの暮らし方みたいなのが崩れざるを得ないってなかなか辛いものがありますよね。
私もこの辺の認識が変わるまでに相当時間が掛かりました。
産後のホルモンバランスや夫婦の関係など、他にも懸念事項があって精神的に不安定になっているところに、目を離したら死ぬかもしれない生き物を育てる・見守るのって相当なストレスですよね。
ーーだから、神経過敏になってイライラしてしまうのも仕方ない、
とした上で、そんなイライラをどう手放すか、
☆価値観の棚卸のとき
イライラポイントに気がついたら、それって、本当に自分にとって大切か?
と問い直してみましょう。
たとえば、家事がきちんとできなくてイライラするとしたら、本当に家事がきちんとできないとダメ?と問い直してみるのです。
そして、きちんとしたいレベルを今可能な範囲で決めてみるのです。
たとえば、掃除機は気になったときだけかけるとか、二日に一回にしてみるなど。
家事はあとからでもできるけど、子どもの今は、本当に今しかありません。
10年もしたら、べたべたすることはなくなり、むしろ離れていきます。
そう思うと、何を大切にしたいか、はっきりしませんか?
それで、もし、『まあ、家事は適当にしてもいいか』と思えたら、思うようにうまくできない自分を責めなくてもすみます。
『穏やかなニコニコママでいたい』『イライラする自分が嫌』と思っても、『まあ人間だからイライラするときもあるよね!』とひらきなおることができれば、自分を責めなくていいし、『まあ、いいか』と気持ちを切り替えやすくなります。
(本文p52、53より引用)
2万組以上の親子を観察した筆者いわく、
こまごましたことが思うようにならずにイライラが膨らむ
↓
うまくいかないことを自分のせいにしたり、イライラする自分を責める
↓
ますますイライラする
という、悪循環のなかで苦しむお母さんが多かったそう。
ここで言われているイライラポイントとは、
自分は何にイライラするのか?
何を望んでいるのか?
と、どんな価値観を持っていて、生活する上で何に重きを置いているのかを知ること。
たとえば食事で、ぐちゃぐちゃにされてイライラするのは、
汚れるのが嫌なのか=掃除が大事という価値観
食べ物を粗末にしていることが嫌なのか=食べ物を大切にしてほしいという価値観
食べて欲しかったから嫌なのか=料理に価値を置いている
などなど、子どもの起こした行動に対し、自分はどう(どこに)イライラしたかを見つめると良いそうです。
そして、引用の文章にもあるように、あらゆることに拘って、家事や思い通りにことが運ぶことに重点をおくより、子どもとの今を大事にしようと思えれば、イライラしてしまう多くのことが、大したことじゃないとも思えるんだとか。
自分のことを振り返ってみるに、食べこぼしなどで床や服が汚れたり、汚れた手であちこち触られることにストレスを感じていました。
そして永遠に終わる気がしない長い長い食事時間にも…
汚れに関しては、掃除が苦手なので、汚された=掃除をしなきゃならないと追い詰められ、壁紙の汚れを取ったり、服の汚れを予洗いしたりっていうのが辛かったです。
でも、そういうものにカリカリしてしまうより、子どもは汚す生き物、多少汚れたって構わない服を着る…とかで、乗り越えられたので、やはり子どもをコントロールするよりも、自分の受け取り方をコントロールする方が早い・簡単でした。
育児は、自分が大事に抱えている価値観と向き合うタイミングを貰える時期でもあるなぁと感じました。
☆子どもがのびのび育つ、親の〇〇〇さ
☆親は完璧じゃないほうがいい
完璧を目指すと、どうしても、”できないこと探し”をしてしまいます。
自分のできないところや子どものできないところに目が行き、子どもにも当たりやすくなって、自己嫌悪になり、イライラや不安が膨らみます。
子どもの成長を待ったり、子どもらしい自由さや気ままさを面白いなとかいいなと感じたり、遊びの中に豊かさを発見するには、いい加減さや適当さが必要です。
子どものありのままを『いいなあ』と思えるには、”完璧さ”は邪魔なのです。
『丸ごと愛されているなあ』とか、
『認めてもらっているんだなあ』とか、
『自分は自分のままで素晴らしいんだ』と言った自己肯定感を子どもの心に育てるには、親は完璧を目指さないほうがいいんです。
(本文p82、83より引用)
完璧主義でいるつもりはないけど、なぜ上手く行かないかが、ここを読んでようやく分かった気がします。
自分にも子どもにも、粗さがしや出来ていないことから見る癖があったからなんですね。
故意に悪いことをしでかしたとかなら、叱ったり注意が必要だけど…
失敗の裏には、懸命に取り組んだ出来事が隠れていたりしますよね。
食べこぼしだけ見れば、『もっと上手に食べてほしい』とイライラしてしまうけれど、沢山こぼしてしまうほどに箸やフォークを使って食べようとした証でもありますもんね。
人生経験が浅く、色々なことがまだ上手くできない子どもにとって、上手くいかないことを逐一責めてくる親より、『まあまあ、いつかは上手くなるから焦らないで』と声を掛けられる親の方が良いですもんね。自分が子どもの立場でもそう思います笑
ここに書かれている学びは、この本で一番感銘を受けたといっても過言でないくらい、胸に響くものがありました。
ちなみに、冒頭の〇〇〇に入る言葉は、【不完全】です!
いびつでも不完全でも、貴方なりの今の育児でOK、という著者からのメッセージは、本当に心が救われます。
☆人の愛しかたは、子どもが教えてくれる!?
☆子どもは無条件で お母さんが大好き
どんなあなたでも、子どもはあなたが大好き、無条件に大好き、そのままのあなたが大好きなのです。
そのことを繰り返し思い出して、親も自分のありのままを認めていくことが大切です。
子どもに愛情を注ぐには、たくさんの心のエネルギーがいります。
自分が自分に愛を注ぐと、心が満たされ、子どもにも自然に愛情を注ぐことができるようになります。
自分が大好きで幸せなら、人にも優しくできますよね。
だから親が自分自身を好きになればなるほど、子どもは心の栄養をいっぱいもらえ、安心して成長できるのです。
(本文p90、91より引用)
3つに絞ってご紹介しようと思っていたのですが、繰り返し読んでいるうちにやはりここも捨て置けない…と思い至り、4つにしました笑 キリが悪くてごめんなさい。
子どもからの愛って、真摯に育児をしている方なら痛いほど感じておられると思います。
時に痛ましい事件が起きた際も、『6歳なら外に出られるんじゃ?』との声に、
『(どんなにろくでなしでも)子どもは親が大好きだから、その人の言いつけを守る』
とSNSにてコメントされた方がいて、大きく頷いた覚えがあります。
実生活でもつくづく、子どもは親を心から愛し、信じているよなぁと実感します。
私はここを読んだ時、人の愛しかたってこういうことなのかも?と思いました。
その人が持っているもので好きになるんじゃなくて、時に盲目的…とさえ感じる子どもなりの愛情。
生後何十年と育った私には、ありのままでOK!と思えるにはまだまだ時間が掛かりそうだけど、子どもからの愛情だけでも、自分を肯定する力になりえそうだから凄い。
自分のことも子どものことも、はたまたパートナーや友人のことでも、人の愛しかたは子どもに学ぼう!
うーんそれでも…と不安な方には、第5章からがおすすめ。
子どもの信じ方、子どもの成長を待つ方法など、親が親として成長するための、愛情ある言葉に溢れています(私はp184あたりが好きです)。
グッと来た箇所をご紹介致しましたがこのほかに、
- お母さんが自分を肯定すると親子関係が良くなるワケ
- あなたなりの育児を認める方法
- 子どもの性格と、親の価値観が合わない時は?
- 子どもの預け先、相談先、育児仲間を作る方法
- 家族との関係性
などなど、自分と子どもだけでなく、その家族との向き合い方、沢山のママたちのストレス解消法、育児のコツなど、多くの親子を見てきた著者だから書けるボリューム感に圧倒されます笑
頑張らないように、頑張る
それが長い育児を乗り切るコツなのかもしれません。
がんばらない子育て:感想
『ハッピー』とつく本は実はあまり好きでないのですが笑、この本はレビューの良さから購入に至りました。
本を読んで変わったことは、
- 育児にイライラはつきもの
- 自分にも子どもにもしょっちゅう出来ないこと探しをしていた
- ↑完璧主義のつもりはなかった…
- 苦しみの元は、『これまで大事にしてきた価値観』
- 自分の見たくない部分と向き合う
- 育児はごまかしが効かない
- 信じて、見守る、これが究極に大事
イライラしてしまうのは、イライラしてしまう価値観を持っているから
不安になるのは、信じる力、見守る力を養っている最中だから
私がこの本から学んだのはこの2つかも知れません。
ぐずりやイヤイヤにどう対処すべき?という実践的な内容もあれば、マインドから変えるメッセージがあったりと、とにかく保護者への愛情を強く感じる内容です。
育児は、自分が子どものころどうやって育てられたかが引き合いに出されるし、育てた我が子がどういう育児をするか、まで全部が地続き。
そこまでロングスパンで考えて、やること、掛けた方がいい言葉、色々と考えさせられる内容でした。
癒されも救われもするので…今、育児でちょっと苦しいなあという方にはとってもおススメ!
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
日に日に寒くなって参りましたね(`・ω・´)
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