17歳のかけがえのない夏ーーそれぞれの錯綜する想い
『恋は雨上がりのように 4巻』 眉月じゅん(著)ビッグコミックス(小学館)
【あらすじ】
ずっと一緒だった
親友・喜屋武とのすれ違う想い。
そして、店長がかつて描いた夢。
思春期の少女と思秋期のおじさん。
立ち止まったままの2人。
その想いの行方は…!?
今、17歳の夏が過ぎゆくーー
(裏表紙より引用)
【みどころ】
「迷惑なんかじゃない。むしろ、感謝しているんだ…」
夏風邪を引いたらしい近藤が心配で、
「君が俺の何を知っているの」
と、踏み込んできたあきらを突き放してしまった近藤。
自分に自信がないからこそーーあきらの猛追が怖くて、
あきらが素敵じゃないわけじゃなくて、むしろ魅力は感じている。
ただ、それに見合うような人間じゃないことは…自分が一番分かっ
「ばっ」
近藤の内面の吐露によって、
「嫌われていた訳じゃなかったんだ…」
と胸を撫で下ろすと同時に、泣きじゃくるあきら。
あきらに少しずつ惹かれる近藤…。
ただ、それを恋と呼べるのか、相応しいのか、そもそも恋なのか、
感情に名前をつける事が出来ない…。
だけど、彼女の抱える不安を取り除けたらーーと、
ドキドキしてるあきらが可愛い!!!
「今の人の事、好きなの?」
近所でやる夏祭りに、中学からの友達、はるかを誘ったあきら。
部活以外で遊ぶのは初めてみたい。
ギクシャクしていた二人に笑顔が戻るかと思いきや…
あきらが店長(近藤)に声をかけてしまい、
あきらの見たことのない顔に、
年齢が明らかに父親世代で、
その所為か、「何を考えているのか分からないし、
どうして上手くいかないんだろう。
あきらが怪我で躓いてからの二人は、どこかすれ違ってしまう。
そして、
「もう、元には戻れない」
そう呟いてしまうあきら…。
「よう。」
初登場!
近藤の大学からの友達の、九条ちひろ。
同い年に見えないくらい若いな…笑
近藤がかつて図書館で借りた本はちひろの本だった。
そこから連絡を取り合い、10年ぶりに会う二人。
10年の間にちひろは作家デビューし、近藤は結婚と離婚をし、
「俺たちは大人じゃねーよ。同級生だろ。」
何となく気まずくなったまま会っていなかった近藤とちひろ。
会えるようになったのは、歳を重ねたから…と近藤は思っていたけ
それもあるかも知れないけど、空白の期間を埋めることが出来るだ
お互いのことが好きで、良いところも悪いところも知っていて、
はるかとのことで落ち込むあきらに、自身の体験を話す近藤。
今は上手くいかなくても、
だからいつかまた、時が満ちるまで…。
満月の夜に、願いをこめてーー
というところで、4巻は終了。
切ないエピソード多めの4巻、友達付き合いって難しい、、
【感想】
突き放したはずのあきらを、魅力的だという近藤。
ロマンチストなのか、彼女の持つ若さゆえの熱さが、
いろんなことを乗り越えるうち、、歳を重ねるうちに強くなる反面
心の順応もだんだん鈍くなってしまうので、あきらの熱さ、
感受性の高さは無くしたくないけど、
大人になるとどうしても、
近藤はかつての友との仲を取り戻し、
それぞれの行方は…。
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