生きる目的を見出せない男と最愛の妹を失った姉の、形式上の恋愛ー春の呪い 1巻

2018-06-12

春の呪い 1巻』小西 明日翔 (著) IDコミックス ZERO-SUMコミックス(一迅社)

春の呪い 1巻:あらすじ

妹の思い出を辿るため、

夏美は『妹と二人で行った場所にわたしを連れていってほしい』という条件を付け、妹の婚約者だった冬吾との交際を承諾する。

 

愛する妹を奪った男と二人、

巡る季節がはじまりーーー…。

(裏表紙より引用)

春の呪い 2巻はこちらから

誰かの為ではなく自分の為に生きる勇気ー春の呪い 2巻

春の呪い 1巻:みどころ

「その人の目的は簡単に言うと見合いだった」

 

立花家の二人姉妹、夏美と春に突如やってきた見合い話。

二人の実の父親の血筋と、訪ねてきた女性の生まれは同じ分家であり子孫なのかな?

女性の家系の血を絶やさぬ様に、どちらかの女の子を嫁にということらしい。

それが彼女たちと、柊 冬吾(ひいらぎとうご)、訪ねてきた女性、柊家の末子との出会い。

 

「春のためならなんでもできた」

 

両親の不仲により母親は出て行き、不安定な幼少期を過ごしてきた二人。

妹である春の不安をぬぐい去るように行動してきた姉・夏美の想いはいつしか、姉としての立場以上のものになっていくーー。

しかし見合い話により現れた男、柊 冬吾に、妹は奪われてしまい殺意すら抱く夏美。

 

ーー春が死ぬと今度はわたしが冬吾さんと付き合うことになった」

 

妹の婚約者と付き合うのは罪悪感があるものの、この付き合いは家同士の付き合いでもあるため、無下にも出来ず、ひとつ条件をつける。

 

それは、大好きだった妹の思い出をめぐるため、

 

『妹と行った場所に自分も連れて行って欲しい』

 

と冬吾にお願いすることだった。

これが二人の交際の条件。

 

「実際はその女の姉を無意識に探っていた」

 

春と冬吾が交際して2年、発覚する春の病気。

入院生活を送る春の見舞いにやってくる冬吾、彼女のためというよりは実は、見合い話で最初に会った時から気になっていた、姉の夏美に会うためだった。

春や夏美はそれに気づいているのかいないのか、冬吾自身もなぜあの女が気になるのか?と自覚していない様子…。

 

「じゃあ今から一緒に行ってみます?」

 

思わずデートに誘ってしまう夏美(`・ω・´)!

夏祭りに行ったことがないと言う冬吾。

春ともデートで行った事がないらしい。

それならばと閃いた夏美は、冬吾をお祭りに誘ってしまう。

二人が交際している条件は、「春と思い出の地を巡るため」

 

”思い出の地”以外のデートはいわば条件外の行動であったりルール違反とも取れるわけで…

 

条件を出した夏美自身がそのことに気付いていないので、戸惑う冬吾。

でも本当は、春と行った場所がそもそも多くないのと、夏美と少しでも長く一緒に居たいので、罪悪感を覚えつつも付き合ってしまう…。

 

春と冬吾の交際期間は2年。

デートした場所も尽きてきた時、夏美と冬吾の関係はーー?

 

というところで1巻終了。

 

薄々感じていた冬吾の思い、夏美はどう向き合う…?

春の呪い 1巻:感想

絵と雰囲気が暗いなぁというのが第一印象でした。

それでもネットの広告で度々表示され、気になって気になって…いに読んで見ました。(広告に弱いですエロもグロも大体読みます)

人が死んでいることや歪な関係性から、やはり作品全体の雰囲気は暗いのですが、端々に、ことの真意や登場人物の慕情の醸し出されるような、えも言われぬ空気の虜に。。

それをうまく言い表す力がないのでもどかしいのですが、この作品が好きだし、訳がわからないくらい惹かれるものがあります。

好きな人はとても好きでしょう。

死人の春、春を愛した夏美、冬吾の本意などそれぞれの思いがどうなっていくのか、2巻も近いうちに!

お読みいただき、ありがとうございました。

既刊リンク

小西 明日翔

誰かの為ではなく自分の為に生きる勇気ー春の呪い 2巻

 

併せて読みたい記事

人間関係に疲れて何もかも断捨離した主人公の、新しい幕開け!

清廉でミステリアスな彼女の、熱すぎる恋心。

嘘から始まる純愛コメディ!?―ライアーライアー1巻

ビジネス彼氏か純愛か!?―鬼上司のヤキモチが可愛すぎます!!1巻

救いがない底辺の愛…少女の残酷な恋物語―君に愛されて痛かった 1巻