35歳枯れ女と魚男(実はイケメン)のまさかのラブ!?―まさかな恋になりました。1巻
『まさかな恋になりました。1巻』邑咲奇(著)サイコミ(小学館)
あらすじ
枯れ女の岩井栞(35)の隣に伊達瑞貴(27)が引っ越してきて、栞の代わり映えのない毎日が大激変!!
激変の理由は、彼の顔が魚に見える事だった!?
しかし、彼と一夜を共にした日から、伊達くんが時々超絶イケメンにも見えてーー!?
栞の恋は急速に動き始める…!!
胸キュンでノンストップなハイテンションラブコメディ!!
「結婚できないにはワケがある。」で大人気の邑咲奇先生が送る、話題の最新作!!
(この本の情報 より引用)
まさかな恋とは?
表紙やあらすじをご覧いただいて分かる通り、アラサー女子と魚男(でも実はイケメン)との異色のラブコメ(?)が、まさかな恋。略してまさ恋
ちなみに作者の方は邑咲奇(むらさき)さん。
笑えてキュンとして……私はもうすっかりこの作品の虜です笑
毒親育ちっぽい栞の抱える孤独に共感する一方で、魚男でイケメン・伊達くんのほがらかさに癒されたり、実は天真爛漫な栞の性格が見え隠れしたりして、色んな要素が詰まった素晴らしい作品です。
サイコミにて毎週木曜日に連載しているので、気になった方は1話からぜひぜひ読んでみてください!
既刊は1巻まで。(2021年10月末発売)
「いつか」っていつですか
田舎から出て東京で働くことを決めたのは
とにかくあの兄寄りな両親から離れて 都会で華やかに暮らしたかったから
引用元:まさかな恋になりました。
まさかな恋、主人公は、とある中小企業で働く営業事務の、岩井 栞(35)。
同期はみんな寿退社し、若い子か年上かしかいない会社で、”お局”と呼ばれながらも真面目に働くしおりんは、かなりのネガティブ思考で自己肯定感も低め。
その理由は、兄ばかりを可愛がる両親から、”居ない者”として扱われた経緯があるから。
唯一の理解者だった祖母の他界を機に上京し。
実家を離れた華やかな生活を夢見ますが、これといった特技も目標もなく、恋愛からもほど遠く、ただ家と会社を往復するような…淡々とした日々を送ります。
「いつか」を夢見て 誰にも迷惑かけずつつましく生きてきた
私はずっと待ってる
運命が動き出すのを
引用元:まさかな恋になりました。
いつか誰かがここじゃないどこかへ連れ出して、幸せにしてくれると信じている、シンデレラ思考なしおりん笑
とくに努力もせず夢見がちなので、宝くじを買ったり街の占い師さんに見てもらったりと、やや迷走気味!
ギョギョッ
あっ もしかして うるさかったですか!?
すいません夜分に
俺 今日ここに引っ越してきて とりあえず荷物これだけ入れちゃいたくて
明日にでもご挨拶に…
引用元:まさかな恋になりました。
特に何もない日々が終わろうとしているとき、
『今日も昨日と同じ 昨日は去年と同じだった』
明日もきっと変わり映えしないだろう…と思いながら眠りに就こうとすると、空室のはずの隣室から物音が!!!
誰かの気配を感じた栞が玄関ドアからそっと確認すると、そこには顔が魚(魚類は鯉?)の男性と思しき人間が!!??
恐怖を感じた栞はそのままドアをそっ閉じし、強引に眠りに就いてしまいます(そりゃそうだ
翌日、まだ恐怖(?)がぬぐえない栞は魚が見えた幻覚を打ち消すべく仕事に打ち込み、若い子の合コンに混じったりと、またも迷走笑
一眼レフにハマっているという合コン相手から撮られた写真を見て、
- 猫背
- うっすらほうれい線
- はっきりしない輪郭
- 無数にある小さなシミ
35歳という年齢をイヤでも自覚し発狂した栞は、そのまま二次会には呼ばれずトボトボと帰宅…。
無数にある小さなシミ…わかる…
輪郭もはっきりしないし…
合コンの為に買った洋服は実は若い子向けの服で、同じ服を着た子から
『なんであんなおばさんが着てんの(怒』
と言われたり、とにかくいつも以上に惨めな一日に!!
現実は なんて残酷なのかしら
何もない日常を垂れ流して
気付かぬうちに 唯一の武器だった若ささえも失っていたなんて
引用元:まさかな恋になりました。
こんな自分…大嫌い
と実感しながらビール片手に帰宅すると、そこには魚男の姿が!!!
顔が魚と言っても結構カワイイです笑
どうにでもなーれ!
もう ヤケクソ
もう どうにでもなれだわ
誰でもいい 顔が魚に激似でも どうだっていい
こんな日は
惨めに独りでは居られない
引用元:まさかな恋になりました。
普通に話しかける大家さんを見て、自分だけがおかしい(彼が魚に見えている)と知った栞だけれど、惨めで仕方なかった栞はヤケクソで、その魚男こと伊達くんと飲むことに!
栞の部屋にてツマミを持ってきてくれた伊達くんいわく、観賞魚専門店のアクアショップで働いていること、好きなことを仕事にしているらしいことが判明。
酔っぱらった栞には始終魚に見えていることから、
- 魚が魚好き
- アクアショップで働いている
というだけでも笑いのツボに笑
眠くなった伊達くんが自分の部屋に帰ろうとすると、
『いいよーそこで寝て行きなよ!』
と、自分のベッドを提供する栞。そんな彼女に、
『栞さんて見かけによらずダイタンっ 会ったばっかなのに…』
※伊達くんはびっくりするとギョギョッと言います笑
『俺 男だよ?肉食かもよ?』
と、魚顔モードでキメ顔すると、
『魚なのに肉食!!』
『私はね 肉より魚派だから…!』
と、同じくキメ顔で返すしおりん笑
伊達くんが会ったことないタイプの女性だった栞の反応。
話しやすいとか面白いとか言われ、心の底から笑った日。
良い気持ちで眠りに就くと、翌朝、そこにはイケメンの姿が!!!
ときめきポイント
なんだろ……
今弱ってるからかな…
伊達くんの気遣いが やけに染みる…
引用元:まさかな恋になりました。
魚だったはずなのに、イケメンになっていることに怯える栞。
てかこっちが本当の姿だよね!と、改めてメガネをかけてよく見ようとすると、途端にまた魚男に!笑
※栞には基本魚に見えてます
※何をもってイケメン⇔魚がいったりきたりするのか考察がはかどる読者増
部屋でくつろぐ伊達くんを追い出し、会社へと向かうしおりん。
仕事に打ち込む傍ら、魚に見える理由を必死で考えます。
雑念は切り捨てて もう一度考えなくちゃ
どうしてあの人の顔が 魚に見えるのか
引用元:まさかな恋になりました。
朝起きてメガネをかけるまではイケメンだった
てことは、メガネのせい??と、人生初のコンタクトを入れてみますが、やっぱり魚男!
神様に、運命が動き出すことを願ったことで訳の分からない状況に陥ってしまったことに疲れた栞は、
例えあの人のことが魚に見えたって 今日も私は
日常生活を送るだけ そういうことですよね 神様
引用元:まさかな恋になりました。
いつも通りの日常へと戻る努力をします(非日常を望んでいたのに…
真面目に仕事をする栞がいつも通り電話を取ると、後輩がしでかしたクレームの電話!
型番の間違いを訂正→正しい見積書を送り→後輩にも指導しますが、その後輩が陰口を言っているのを偶然聞いてしまったり、妊娠して時短になった社員の仕事を請け負ったりと、
とにかく損な役回りが多いしおりん。
部署の部長もとくに彼女をねぎらうこともないことから、
『こんな私を 誰か見てくれてるかな…』
自分の存在理由を考えてしまいます。
損な役回り、陰湿だと噂されるなど、日常に幸せがほとんどない栞。
自分から動き出さないのもあるけれど、登場人物のほとんどが利己的な人間が多いかも…。
残業で疲れて帰宅しようとすると、後ろからひったくりに遭い、全財産も奪われてしまいます。
ーーーと、そこに遭遇する、伊達くん。
事の顛末を聞いて、
『そっか……』
『怖かったね もう大丈夫だよ』
と、栞の頭を撫でてくれます。
仕事のクレーム、後輩の陰口、あげく、ひったくり…。
ズタボロに弱っているせいか、伊達くんの優しさが染みた栞の胸は、初めてときめきーー!?
…
ここからどんどん伊達くんを異性として見ていきます。
魚に見えても、イケメンに見えても、伊達くんのことが人として惹かれるしおりん。
しかし伊達くんの恋人(?)が登場したり、離れたはずの家族に苦しめられたりと、まだまだ波瀾万丈な栞の日常。
冴えない日々をひっくり返す、魚とのまさかな恋。全力でおすすめです!
まさかな恋になりました。:感想
この作品の魅力を伝えきれていないように感じて、とても悔しいです…。
本当に本当に面白いんですが、私では面白く表現できませんでした。
よくある冴えないOL(もしくはアラサー)と、若い子のラブ(ちなみに伊達くんは27歳)なのは間違いないんですが、この作品の非常に大きな魅力の一つに、
伊達くんがほがらかでめちゃくちゃ優しい
という点にあると思っております。
最近よくある漫画では、俺様系男子や、口が悪い、性格がキツイ(それが時々デレるのがギャップ萌えとされている)系男子が多い印象です。
それでいてハイスペックだったりイケメンだったりして、主人公とドラマチックな恋に落ちる…というのは読んでいて面白いんですが、総じてなんでかやや疲れるんですよね。
普通の物言いして欲しいし、大変な目に遭った時に説教はされたくないし、先が読めない展開に振り回されるので(私が作品に感情移入しすぎかもですが
彼らなら、残業したりひったくりに遭った栞にもマジレスや説教をしそうなタイプというか。
この作品の伊達くんは、まず
- 栞の心配
- 無事を確認
- ねぎらう
- ラーメンをご馳走
みたいな感じで、年齢の割にややオトナな対応をしてくれます。
そんな彼の振る舞いが、昨今の俺様系男子で疲れた心に沁みました笑
なんでこんなに性格キツイイケメン男子が量産されているんだろう…?
栞はネガティブで薄幸女という感じですが、実はおちゃめで面白い女性。
ほがらかで優しい伊達くんにも親との確執があったりと、キャラクターもストーリーもめちゃくちゃ魅力的な素晴らしい作品です。
ギャグマンガとしてもラブストーリーとしても楽しめますので、全力でおすすめです(2回目
2巻が出たら、また感想を上げたいと思います。
今日もお読みいただき、ありがとうございました!
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