くだらないことを真面目に考えるという中毒性―女の園の星 2巻
『女の園の星 2巻』和山やま(著)FCswing(祥伝社)
女の園の星 2巻:あらすじ
この面白さは癖になる!爆笑必至の女子高教師の日常。
ある女子高で、今日も巻き起こるミクロな事件たち。
星先生の中学時代の卒アル写真が都市伝説を生んだり、保護者に記念品作成を丸投げされた小林先生秘められし才能を発揮したり…。
芸能人並みにベールに包まれた先生達の私生活がすこ~しずつ明らかに!
最高のくだらなさを更新し続ける話題爆発&全世界熱望の第2巻!!
(この本の情報 より引用)
女の園の星 1巻の内容は?
とある女子高に勤める国語教師・星
喜怒哀楽をほとんど表さない彼のまわりは、生徒も先生もとんちんかんな人間でいっぱい…?
世にも恐ろしい成森砲
星:まず「摂理」…
この言葉の意味を説明できる人いますか?
はい鈴木さん
鈴木:相手はどんな人ですか?
星:………摂理…
生徒:奥さんは星先生のどこが好きなんですか?
星:知らないです…
生徒:人間ですか?
星:大丈夫です
生徒:その人はちゃんと星先生のこと幸せにしてくれますか?
星:大丈夫です
引用元:女の園の星2巻
2巻初登場・数学の緑川先生が結婚したことで揺れまくる生徒たち。
生徒たちからの質問攻めを、舞台の成森女子高等学校からとって、”成森砲”を撃たれたと揶揄する星先生。
星先生が結婚した時も、
鈴木:『け…結婚したんか…!?』
とある生徒の一言をきっかけに、
- おめでとうございます!今のお気持ちは?
- 奥さんの性格を一言で
- プロポーズの言葉は?
- どこで出会ったんですか?
- 奥さんの似顔絵を描いてみてください
- 相手のご両親には何て挨拶を?
- お互い何と呼び合ってるんでしょう?
- 結婚生活の抱負は?
などなど質問攻めにあい、次の授業までには他クラス、他の学年にまで話が広がりを見せ…
色事に敏感な生徒に恐ろしさを感じたという(以来指輪を外すようになった星先生)。
小林先生が保護者面談用にスーツを着てきた際も、『不祥事を起こした』と噂されたとかで、細かいところまでよく見ている生徒に先生たちも敏感になっている様子。
緑川先生の結婚の話題で、結婚願望は一切ないが、中村先生のようなかろうじて生きているような(?)儚い生き方が理想的という小林先生。
…
中村先生の授業で、いつもは酒臭いのに柔軟剤のいい香り、姿勢も良くなり(大体15度)、心なしか良い肌つやから、女が出来た…?
とざわつく生徒たち。
女の人といるところと言えば=駅前のベンチで80歳くらいのおばあちゃんと話しているところを見たという生徒が居て、
姿勢の良さから=ヨガでも始めたんじゃね?と予想する生徒が居て、
いつも通り公園でお酒を飲んでいたというところを見たという生徒が居て…
噓か本当か分からない話題の転がり方を見せ始め、結果
小林:『星先生聞きました?』
『中村先生 最近80歳のおばあちゃんと夜中の公園でヨガ選手権開催してるんですって』
星:『情報源どこですか?』
謎のエピソードに行きつくwww
明らかなデマだとは思いつつ、最近の中村先生には魂が宿っている…と感じた星先生は、生徒の落ち着きのなさを詫びつつ、何か良いことでもあったのか尋ねていくと…?
ペタリスト小林は訝しい
小林:何と言ったらいいか
め めんどくさい
星:はっきり言いましたね
それで今日ずっと心が荒れてたんですね
ペタリストのことを考えて
小林:ぺ…タペストリーです
いやなんでこの時期に急にお願いするかな?と…
俺の仕事かな?と…
いややりますけど
やりますけど?
え?え!?
星:(情緒が不安定…)
引用元:女の園の星2巻
挨拶をロクに返さず、誤発注されたカロリーメイトの祭典にも惹かれない様子の小林先生。
大好きなはずの3秒クッキング(〇分クッキング)のお野菜ダンスシーンにも動じない小林先生の様子を流石に訝しんだ星先生が訳を尋ねると、
小林:『星せんせ~……俺……』
『ペタリストを作ることになって 心折れそうです…』
小林先生のデスクに張られた付箋に書かれた、”ペタリスト”という文字が丁度気になっていた星先生がペタリストについて訊くと、掛け軸みたいなやつ…と答える小林先生に、
星:『…………タペストリー?』
と、助け船?を出してあげる星先生。
小林先生の言い間違い(認識違い?)をキャッチした生徒たちは、早速『ペタリスト小林』というあだ名をつけてしまうところまでワンセット。
…
ことの始まりは、出勤後の6時半にかかって来た、バレー部の保護者からの電話。
3年が引退する前に、何か記念品を贈ってあげたいというとある母親は、代金は保護者の間で集めておくので、パソコンでちゃちゃっと作ってくれという無茶ぶりをする。
爆弾を投下された気分の小林先生は、それが原因ですさみまくっていたそうな。
写真だけ渡してデザインしてくれる業者に頼んでは?とまた助け船を出してくれる星先生だけれど、バレー部の色を出すという仕事は自分にしかできないことなんで…と律儀に、すべてを引き受ける覚悟を持つ。
…
教師としての業務が終わり、コンピュータ室でPhotoshopを使い作業に入る小林先生だが、なけなしの集合写真をいじくり過ぎてプリクラのような仕上がりになったり、そんな出来を
星:『いっそのこと全身消してみてはいかがですか?』
小林:『ああ…え?俺の存在をなかったことに…?』
と星先生に謎の突っ込みを受けてみたり、仕上がりはあらぬ方向へ…。
集合写真をもとに、キャッチフレーズを考え、背景のデザインを考え、はたまた独自のキャラクターを生み出し、ペタリスト職人としてやり切った小林画伯の作品はいかに…?
女の園の星 2巻:感想
1巻よりも絶対に2巻!!
2巻の面白さ、くだらない日常会話をとことん煮詰める和山やま先生らしさみたいなのが、加速していて最高でした。
女子高生のとことんくだらない思考、しかしそう遠くないことを考えている教師陣のニアリーイコールっぷりが本当に笑えます。
絵柄から読むのをスルーしていた夫も声を上げて笑っていたので、絵柄スルー勢こそ読んで欲しいし、ギャグマンガ好きは絶対に読んで欲しい作品です!
いい意味で、人間ってこんなものだし…と肩の力が抜ける作品。くだらない話にこそ意味を感じることが出来ました(笑)
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