パワハラ疑惑と、許されざる社内不倫―社内探偵3、4話
『社内探偵 3、4話』かたおかみさお(作画)egumi(著)コミックなにとぞ(DPNブックス)
社内探偵 3、4話:あらすじ
松原をはじめ企画部の女性陣はモヤついていた。
同じ部内「飯田美和」の勤怠一挙手一投足が部内の空気をよどませ、さらには彼女を囲む男性陣の行動がそのモヤつきに拍車をかけていたのだ。
「スカッとしたい…誰か何とかして!」
限界に達し人事部へ向かった松原を出迎えたのは、ジト目で機関銃の如く早口でしゃべる女性…
”社内探偵”こと「久我ありさ」だったー。
(この本の情報 より引用)
社内探偵1、2話はこちらから
企画一部の松原の悩みは、後輩・飯田美和の勤怠について。
相談を受けた人事部・久我ありさが飯田について調査をすすめると、勤怠に問題はないものの、同期よりも10万円も高い給与に疑問を投げかける。
一方そのころ、企画二部でも中途採用の林の物言いに不満の声が上がり、とある策を思いついた久我は上長に、彼らのトレードを提案する。
どこからともなく不協和音
林:飯田さんはすぐサボるんですよ
バカな子だからとみんなで教育を放棄してるようなものだ
飯田:ばかなこ…って
ひどぉい…
引用元:社内探偵
異動して早々の林から、仕事への責任感を問われてしまう問題児・飯田美和。
今までは尻拭い役の毛利(飯田いわくモーちゃん)と松原がいたが、飯田一人でも仕事が出来るようにと林がチェックしていたところ、言ったことをいつまでもやらない飯田にいい加減しびれを切らした様子!
- 言われた仕事をしない理由、
- 先週の休みの遅れを取り戻そうとしない理由、
- 先輩である松原に尻拭いをさせている理由、
などなどいくら問い詰めても本気にならない飯田に、(言ってもムダと)彼女をバカにして教育を放棄している方にも責任はある、と先輩である松原を断じる林。
その言葉にショックを受けた飯田は涙を流し、そのまま早退してしまう、、(え!)
浮かび上がるひとつの疑問
確かに松原さんは飯田さんの功績をすぐ隣で見ているハズ
お互いの社員ランクが幾つかというのは人事発令で出てるから知ってるハズ
そこからウチの会社の評価システムに当てはめれば同僚の給料など概算でも把握できるハズ……
なのに 松原さんは飯田さんの給料が自分より低いと考えてた
引用元:社内探偵
言い過ぎたことを反省する林の様子と、一部始終を久我に報告する松原。
林の口調は相変わらずキツいものの…
言っている内容は十分的を得ていると感じた松原は、飯田をしっかり教育するという意識を改めて持つ結果に。
『どんどん成長してもらって私の年収なんか追い越して キラキラ女子投稿に拍車をかけてもらいますよ』
という松原の言葉に、同期よりも10万も給料が高い飯田の成果(や、給料)をなぜ松原が知らないのか、疑問を持ち始めます。
松原と同じ部署の山下は実は久我とは知り合いで、同じく社内探偵業に勤しむ身(単なるゴシップ好きが増長している感は否めないが…)。
彼女と密会をし情報収集する久我は、企画部の面々が飯田の成果を知らないことを知ります。
神のみぞ知る成果
三屋部長は飯田さんがプロジェクトを成功させたと言っていた
人事部長が知っているという事は正式に提出された評価
しかし 企画一部に近頃成果はないという事は飯田さんを昇給させるために
誰かが成果をでっち上げたーーー?
引用元:社内探偵
人事部長の報告と、企画一部の人間の情報に食い違いがあることに気付いた久我は、飯田の高い給料=成果とは、誰かがでっち上げたまがい物ではないかという一つの仮説を立てます。
それを行ったのは、飯田とただならぬ仲にあると噂の、若林課長ーー?
…
人事部久我から、松原、林、飯田の3人で、親睦を兼ねて仕事以外のコミュニケーションを取っては?
というメールをもらった松原はさっそく林をランチに誘い、林は飯田を誘います(嫌なことを言われたものイケメンに弱い飯田はホイホイ付いてくる)。
林がよく行くお店に行った面々は定食を頼みますが、生姜焼き定食の豚肉の脂身を食べることに抵抗がある飯田は残そうとします。(やや分かる)
林:飯田さん 苦手かもしれないけど 少しは脂身も食べたほうがいいですよ
飯田:えー林さんって女子の二の腕はプニプニしてて欲しい派ですかー?
林:二の腕?いえ 飯田さん
顔 粉ふいてるから 乾燥肌でしょ
豚の脂身にはビタミンB1が豊富で肌にいいと聞きます
抗酸化作用もあり 飯田さんには必要な栄養素ですよ
松原:(林さん…天然)
引用元:社内探偵
オトコはみんな美和のことを好きになるハズ!なスタンスの飯田にとって、男性から容姿についてのマジレスをいただくことは青天の霹靂…!
※こんなやり取り、ウマノリ!ガールズパーティーの1話でも繰り広げられています!流れまったく一緒
良くない空気を感じ取った松原は冷めないうちに食べよ!とけしかけ、ショックを受けた様子の飯田は分かりやすくサボる午後…。
何事も正論ベースの直球言語で話す林に対し、飯田も話せばその人となりは分かるハズ…と思う松原ですが、当日の終業後、飯田から部署に対しとんでもないメールが送られてしまいます。
その言葉、パワハラ?
件名:企画部のかたへ
わたしは
はやしさんと働いていると胸がくるしくなるので
しばらくおやすみさせてください
はやしさんはパワハラだと思います><
*iida miwa*
引用元:社内探偵
林の物言いに堪忍袋の緒が切れた様子の飯田は、大の大人が会社に送るものとは思えないメールを一斉送信(笑)
慌ただしく企画部にやってきた久我は松原と林を呼び出し、例のメールが波紋を呼んでいることを説明。
こんなバカバカしいメールで!?と驚く林田が久我いわく、
『林さんの言動には今までもクレームが来ています このようなメールでも人に訴える力はあります』
『実際ひとりの社員が出社拒否となると社は動かねばなりません』
二人に事情を詳しく聞くために、人事部長の三屋、企画部課長の若林もこの場に参戦。
話を聞かれた松原は、林の言動について確かにキツいと感じることもあるが、パワハラかと言われるとそこまで…?
と説明し、林も、パワハラの意識はないという。
飯田擁護派の若林課長は言い過ぎて飯田が病んだらどうする?と強めの剣幕でまくしたてますが、
『言い過ぎも何も 彼女の勤務態度に問題があるんです』
『僕は同僚として指摘していたに過ぎません』
と真っ当な意見で反論。林と若林課長で議論が白熱する中、三屋部長から解散のお達し。
三屋部長が”三屋チェック”(※人事異動の際に使うノート)を持っていたことから、誰かがまた異動に…?と推測する松原。
もしも林が異動になり会社への不信感から退職…となれば、それは自分のせいだと今回の件に責任を感じる久我。
…
若林課長との話し合いが終わった三屋部長いわく、二人の異動は一旦保留だという。
林は異動したて&実績を作れる人材ということで飯田の異動を提案したものの若林課長が頑なに拒否したため、残留させるのであればちゃんと話をして教育しろと進言したそう。
皆で集まり話をしたことで、企画部に問題があったこと、トレードを敢行した甲斐があったことを実感した三屋部長は久我の働きを褒め、久我もそんな部長を信頼している様子。
縦読みから分かるコト
松原:私や林さんが悪者になろうとも何とか飯田さんを教育しよう
ちゃんとさせようと思ってたのに
自分のカノジョだから甘くしてたと言うなら私は我慢できません
若林課長:いやいやいやいや
引用元:社内探偵
企画部のことを気にかけている久我からお誘いがあり、夕飯を一緒にする松原と山下。
三屋チェックが出動したにも関わらず、誰も異動しないことに疑問を持つ山下。
しかし久我の話では、飯田の申し出通り休んでもらって、復帰後に希望を聞くところだったそう。
合法的にずる休みと部署選択の権利があるわけね~と、一件を要約する山下が見せてきた、飯田のSNSストーリー(※24時間で消える投稿)には、病んでる様子など全くない飯田…。
とある違和感を感じた久我が再度チェックすると、ストーリーの文字列に縦読みから分かる情報が潜んでいることを発見!
ストーリーのみならず、投稿にもなにか情報がないか探る面々は、
『いいダばシ2じ』
『代々ぎ東口20じ』
『大崎サき20時』
と、ハッシュタグの文字列に、誰かへ宛てた場所と時間が書かれていることを発見します。
そして今日の投稿では、
『新大くボ20じ』
と書かれていたのを目にし、すぐさま現場に急行する3人!(ドンキで買った変装グッズを身に着けつつ)
人待ち風な若林課長を発見し、すぐさま現れる飯田の姿に、
『あ~~いろいろ我慢してたのがばかばかしくなってきた』
『当日欠勤で私にシワ寄せが来るのも』
『欠勤してないのに私にシワ寄せが来るのも』
『男性社員が飯田さんに甘いままなのも全部』
と、これまでのことに我慢の限界を感じた松原は、手を繋いで歩く二人に声を掛けてしまう。
歪んだえこひいきと不倫関係を告発すると言う松原に慌てまくる若林課長だが、飯田は動じていないどころか暇そうに様子を伺い…。
松原に対し、
『だいたい!松原さんってセンパイ面してえらそ~にわたしに上からモノ言ってくるけどぉ』
『本当の事を教えてあげましょうか』
不倫発覚に動じない飯田が口にする事実とは…?
社内探偵 3、4話:感想
飯田は作中では美和たんと呼ばれることが多く、飯田表記か美和たんか迷いましたが、登場人物みんな苗字なので苗字で書くことに統一しました。美和タン…
林の物言いが刺さる感じの態度をしていた飯田ですが、実は傷ついたポーズを取っているだけで全く動じていないのは予想通りでした。
自分を可愛がってくれる男性だけいれば構わない感じが、相当したたかで面白かったです。
トラブルメーカーな彼女の動向がどうなっていくか?から、昇給システム(会社)そのものに問題がありそう?というお話にスライドしていくので、目が離せない展開が続きますね。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。
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