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子どもの繋がり≠親同士の絆…狭い世界で繰り広げられる、静かな地獄

『ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望』 野原 広子(著)MF comic essay(KADOKAWA)

ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望

【あらすじ】

仲間だとおもっていたママ友から、気が付かないうちにハブられていた主人公。

ママであることは楽しくて幸せなはずなのに、なんでこんなに孤独で不安でしんどいの?

(この本の情報 より引用)

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【みどころ】

ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望

野原 広子:ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望(KADOKAWA)

『いい大人なのに ばかみたい』

この春から、長子の幼稚園のファーストスクールが始まる我が家。

野原広子さんの著書は、離婚してもいいですか?翔子の場合を、コミックエッセイさんで読んでいたきり。

これから本格的に幼稚園でママ友付き合いが始まるのかな~と思っていたので、手に取ってみました。

郊外に住む主人公の田中サキ(32歳)は、はじめて出来たママ友の久保田リエ(35歳)と大の仲良し。

家が近所&女の子ママ同士ということもあり、毎日のようにつるんでいたけれど、いつの間にか距離を置かれ、挨拶を無視され、他人以下の扱いに…。

ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望

野原 広子:ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望(KADOKAWA)

『ね これからよかったらお茶しません?』 

仲良くなったきっかけは、リエが声を掛けてきたことから。

幼稚園に行きたがらない子どもたちが手を取り合い仲良くしていることから、自然と親同士も急接近!

通園をぐずる子どもを宥める毎日が憂鬱だったサキとリエにとって、子どもが何とか幼稚園に行ってくれること、二人が友だちになってくれたことはこの上ない喜び!

そんな光景を目の当たりにしたサキとリエも、自然と友だちに♪

ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望

野原 広子:ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望(KADOKAWA)

『仲良しになんてならなければよかった』

そうしていつの間にか下の名前で呼び合うようになり、幼稚園のある日は必ず一緒に行動するようになった二人。

しかし、変化を感じたのは子どもの学年がひとつ上がった年中になってから。

少しずつリエの態度に違和感を感じるようになり、その違和感を拭えないまま距離を置かれることに。

子ども同士の仲良し=子どものママ同士も仲良し

と、浮かれて勘違いしてしまったと振り返るサキ。

あんなに仲良しだった二人に何が???

ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望

野原 広子:ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望(KADOKAWA)

『どうして リエちゃんに嫌われてしまったんだろう?』

年少の夏祭り、秋のおゆうぎ会、それから冬を迎えて、変わってしまった二人の関係。

自分を仲間外れにするグループのひとりに、何が起こったのか思い切って話しかけると、些細な行き違いから、リエがサキと距離を置き始めたことが分かった。

子どもに向かって発した言葉がどこかで形を変えて親たちに伝わり、誤解され、無視されるハメに。

会って話そうにも一切取り合ってもらえず、聞く耳を持たないリエにショックを受け、おんなじ態度で接すると決め込もうとするが…

子ども同士は仲良しだし、幼稚園に通い続けはするわけで…

自分の率直な感情と、この状況で一番大事なこと、どちらも両立させるためには、事態を受け入れてなんとかやってくしかない。

それがサキの選んだことだった。

ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望

野原 広子:ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望(KADOKAWA)

『親よりも夫よりもすべてをわかってくれる 共通の思いを持つ仲間だと思った』

関わるたびに傷つけられ、それでも子どものためにも、と、取り繕ってきたサキ。

そんなサキの苦労を知らない旦那さん、電話のたびに二人目の催促をする義母、今までは辛いことがあっても、打ち明けることの出来る相手がいた。

子育て中のどうしようもない苦しみを分かち合えると思ったから、心を全開にしたことで、より深く傷ついてしまった悲しみを抱えるサキ。

ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望

野原 広子:ママ友がこわい 子どもが同学年という小さな絶望(KADOKAWA)

ストレスが体にまで表れてしまったサキ。

子どもたちから、リエには二人目ができたと聞かされ、決定的に違いを感じる…と同時に、自分は身も心もどん底なのに、幸せそうに生きているリエが許せない…!

と思うまでに。

自分の中にある、真っ黒な感情に飲み込まれそうになるサキ。

この行動がかえって転機を生むことにもなるんだけど、サキはまだまだ苦しみぬく。

物語中盤からはリエサイドのお話。

仲良しだったサキを嫌いになってしまったきっかけが描かれているので、リエから見たサキも面白い。

サキは少し鈍感だけど前向き。

リエは真面目で一生懸命で、少し思い込みが激しい。

相手を羨ましいと思う気持ちが、いつの間にか妬ましい気持ちに転じるのがまた怖い。

でも、ステージの違いや年齢の違い、子どもの性別によって分断されやすい女の世界ならあるあるなのかな。

共通点を見つけては喜び、差を感じては羨ましく思うとか、あるもんなぁ。

【感想】

ママ友って、子どもの縁で出来たつながりだから何でも分かり合える友だちかと言うと、その限りでなかったりしますよね。

この作品は、環境が同じで気が合って仲良くなった2人が、不妊治療とか年齢とか性別とか、ちょっとした価値観の違いから相手を誤解したり憎み合ってしまう危なっかしいお話。

幼稚園の人付き合いがどんなものか、『子どもが同級生』というママ友がどんなものか、大いに参考になりました!

悪意にさらされることで、自分も呪いの気持ちに渦巻かれてしまうサキだけど、なんとか整理をつけて自分で自分を幸せにしようとする姿はとっても魅力的。

まあまた最後にひと山あるんですが、それもリアリティあって好きです笑

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