翔真と吉乃、二人の衝撃の出会いと関係性の原点―二人は底辺
『二人は底辺』小西 明日翔 (著) ZERO-SUMコミックス(一迅社)
二人は底辺:あらすじ
主人公の染井吉乃は13歳。
ヤクザの家の娘ということで、学校でも浮いた存在だった。
そんなある日、
吉乃と翔真の出会いのエピソードが43ページにわたり描かれてい
『来世は他人がいい』(刊行:講談社)
『春の呪い』(刊行:一迅社)
※コミックゼロサム2015年9月号に掲載された『二人は底辺』
(この本の情報 より引用)
二人は底辺:みどころ
『あれ…あの人どっかで…』
染井吉乃は13歳で、ヤクザの家生まれ。
組長である祖父の指示で連れて来られ、
『どこかで見たことある人…』
と既視感を覚える吉乃。
『実は折り入って吉乃に頼みがあるんや』
彼が、同じ中学に通う二つ上の素行の悪い先輩だと気づく。
名前は鳥葦翔真(とりあし しょうま)、年は15歳だという。
父親が覚醒剤を売って儲けている最中、その元締めが吉乃の祖父で
翔真のその捨て身の根性が気に入ったらしく、
クズの父親とは金で引き剥がし、組に入れたいという祖父。
組に入れると言っても、構成員としてでなく息子として面倒を見たいらしい。
いきなりの祖父の提案に呆然とする吉乃…。
『アイツがうまくやっていける場所なんか もうここしかないやろ』
祖父の提案に当の翔真は、
『どうでもいい』(
と人生に対して投げやりな様子。
自分の人生なのに、
母親が幼い時に亡くなってから3回は育てる人間が変わり、
大人の都合でたらい回しにされ今回も親に迷惑を掛けられ、
希望を持つことや不遇に抗う意思をもって生きることが、
ヤクザの家に生まれようとも人と向き合い、
『底辺が底辺を受け入れんくてどうすんねん』
親父もクズだが彼も相当のクズ、
ならず者集団のようでいて、彼らなりの、
社会からはみ出し行くあての無い人間の行き着く場所が極道。
『お前なんか親父とちゃうわ……』
布袋の覚悟とセリフで、翔真を見る目が変わり、気にかける吉乃。
フラッと出ていった翔真を追い掛け夕飯を届けようとしたら、
『組の世話になるならそれで構わないけど』、『金の工面をして貰えないか』と言い出す父親。
父親に対し組長直々に翔真の身元を引き受けたいと申し出て、
顔を合わせれば迷惑を掛けられ金をせびられ、
立ち聞きしていた吉乃、思わず翔真を止めるが…。
『我が子に金せびる父親がどこにおんねん!』
父親を殺したくて仕方ない翔真を、
『代わりにわたしが今から殺す』と申し出る吉乃。
翔真は15歳、吉乃は13歳なので刑事責任を問われず。
※刑法が科されるのは14歳が基準で、
こんなカス、
それでも自分は父親なんだとのたまうクズに対し、
翔真を思って吉乃が取った行動とは…。
吉乃、男らしいというか肝が座り切っているというか…。
そりゃあ翔真、成人しても追従しちゃうわ…。
底辺なりの愛…!
二人は底辺:感想
作者の小西明日翔さんのpixivに載っていた過去作品が今回配信されたみたいで
タイトルや表紙がpixivのままだったのですぐに分かったんで
契約の兼ね合いから今回電子版のみの配信で、
愛を知らない翔真と愛されて育った吉乃の対比が面白く、
短いなりにもコトの起承転結がまとまっていて、
今日もお読みいただきありがとうございました!
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