香澄に、試練の時!?―Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の機略

2017-09-21

『Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の機略』ゆきた志旗(著)集英社オレンジ文庫

【あらすじ】

“絶世のブス”ながら、ウェディングプランナーとしてお客様の幸せのために頑張るわたし、北條香澄は、自称“意識の高いB専”久世課長に斜め上な求婚をされ困り果てていた。

そんな時、中途採用の年上新人、財前さんの教育係を任される。

美人で自尊心の高い財前さんと仕事のやり方で対立する中、二人で担当したお客様が「結婚式の費用が払えない」と言い出して…⁉︎

(2巻裏表紙より引用)

【みどころ】

泰造:「あら香澄ちゃん、いいじゃないそのドレス。パーティバッグも大粒のビジューがパンプスと合ってて素敵よ。スパンコールもいっぱいで、キラキラして可愛い」

 

香澄:「ありがとう泰造くん。いざというときはバッグを投げて、顔から視線を逸らす作戦だよ」

 

泰造「いざというときってどんなときなのよ……」

引用元:Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の機略

 

前巻で、自らが担当したお客様の挙式に急遽参加することになった香澄と、ホテルの美容師、泰造くん。

 

ブスを拗らせた香澄、相変わらずの自虐が面白い(笑)

 

自虐してもまわりの人もさらに面白いし優しいので、よりおちょくってくれたりフォローしてくれたりと香澄のまわりはあたたかい空気が流れている。

この回では和やかな婚礼から一変、予想もつかない展開になってしまうのですが、そんな方法があったか!とおどろくばかり。

 

実際にあったお式なのかな?結婚式を挙げたことも参加したこともない私は、想像しながらドキドキしながらページをめくりました。

 

「(中略)どういう次元のお話をなさってるの?そうではなくて、ポジティヴな経歴が何も載っていないのが問題です。特別なことはしていなくても、社会的地位のある男性なら肩書きの一つ二つは引っかかるものなのに……このネット社会でヒットする功績も、地位も名誉も何一つない男性と結婚しても、先が見えてましてよ」

引用元:Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の機略

 

中途採用で婚礼課にやってきた財前由起子、前職が国際線のCAだっただけあって美貌立ち居振る舞いは文句なし。

 

附属翌日に同僚(年下だけど一応先輩?)の恋人の名前をネット検索し、大した情報出てこないしいまいちな男なんじゃない?と言わんばかりにこき下ろす始末…。

 

物語だから俯瞰して読めますが実際にこんな人いたら総スカンでしょってくらい高飛車でふてぶてしい新キャラ(笑)

この性格が災いしてかのちに大事件を引き起こすハメに…これは読んでいて伏線があったので、納得の展開という印象。

 

主人公の香澄も至らない部分あっての事件なので、まさに試練のとき。

 

【感想】

2巻が出ていることを知らなかったので、主人がお土産と称して出先から帰って来て渡してくれた時には飛び上がりそうでした(笑)

 

前作と比べて波乱の展開が多め、香澄の仕事に対する考え方・性格が色濃く出ていた巻という感じでした。

“意識の高いB専”である課長は新キャラの登場により存在が若干薄めに…(笑)

 

大好きな仕事、お客様のために、という思いを強くするほど損したり根回しが足らずまわりに迷惑かけてしまいかけるというのはサービス業あるあるな気がします。

前作ではしっかりとして見えた香澄も今作では人と自分を比べ、内観し、成長する様が描かれていて、等身大の女性だなぁと感じました。

 

片時も目が離せませない怒涛の今作も、ぜひおススメです!

既刊リンク

ゆきた志旗

ウェディングプランナーは絶世のブス!?―Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の攻防

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