救いがない底辺の愛…少女の残酷な恋物語―君に愛されて痛かった 1巻
『君に愛されて痛かった 1巻』知るかバカうどん(著)BUNCH COMICS(新潮社)
君に愛されて痛かった 1巻:あらすじ
中学時代に遭ったいじめがトラウマで、
ある時、カラオケ合コンで知り合った他校の男子・
それでも優しく接してくれる寛にかなえは恋をする。
その想いが悲劇の幕を開くことにーー。
愛に飢え過ぎた少女の、小さな願いが辿り着く結末は?
(この本の情報 より引用)
君に愛されて痛かった 1巻:みどころ
『ただ それだけだったのに』
冒頭がこの作品クライマックスのシーン。
二人とも血塗れだけど、より傷を負っているのは女の子の方。
二人に一体何が…?
『何とかしなきゃ…』
内気で人の顔色ばかり伺っている主人公・かなえ。
彼女がそういう生き方を選択しているのは、中学時代に受けたいじ
普段一緒にいる友達さえ心から信頼する事は出来ず、
『俺も一緒に帰っていい?』
他校の男子グループとのカラオケ合コン、
グループの人気者・寛がそんなかなえを気に掛け、
さっそく出来たLINE(と思しき)
SNSやモバイルツールによってこういう差は顕著になってしまう
『はいっ かなみです』
『自分なんか、居なくてもいい事くらい知っている』
だけど、
『誰でもいい 必要とされたい』
そうもがくかなえは、寛とは一緒に帰らず、援助交際の待ち合わせ
『今日も生きれてよかったーー…』
体を求められることで、必要とされている実感を得るかなえ。
これが歪んだ行為だと分かっていても、
『寛君 もしかして他の人に…』
ホテルからの帰り道、お客さんと帰るところを自主トレ中の寛に目
『ああいうことは、好きな人とするもんじゃないの?!』
と叫ぶ寛の『普通』がかなえには分からない。
自分の秘密がバレてしまったのではと困惑するかなえ、
この回で明らかになるかなえの実家は、
遊び呆けてていいねというお姉ちゃん(
両親の姿は無し。
『ごめんなさい!!!』
目撃された次の日、寛からかなえの連絡先を聞かれて憤慨する一花
一花は寛が好きなので、
『誤解だし、好きでもなんでもない(むしろ大っ嫌い!!!)』
と
この時点で好きでないのは確かで、むしろ自分の秘密をバラされな
一花に頼まれ、縁結びの神社でお願い事をする三人。
バラバラに帰ったはずが、寛に追いかけられ、『
何があっても包み込んでくれる寛に、初めて男性に(
『私が欲しいもの いっぱい持ってるくせに!!!』
しかし寛に抱き締められたところを一花に見られてしまい、
一花の感情以上に、
誰も、勘違いかもとか、
かなえの行動はすべて一花への裏切りとも思えるように彼女らも無
寛と出会うまでは、知らなかった感情。
かなえの手には、愛はただのひとつもなかった。
ようやく掴んだ小さな幸せ。
スマホを取り上げられて、
大人しいようで激情も持ち合わせている彼女の本体はどちらなんだ
かなえを殴り『許さないから』と吐き捨てる一花。
だけどそれはかなえも一緒で、
…
一花に復讐すべく、仲間に声をかけ動き出す。
まさかの復讐展開!
気弱ないじめられっ子だと思ったかなえはとんでもない手段を持っ
どうなる…!!!
君に愛されて痛かった 1巻:感想
双葉社で一度打ち切りになった作品が、新潮社に移りコミックに!
知るかバカうどん先生
凄惨なテーマが多いので、
各作品に於ける、登場人物たちの心情や背景を描く鋭さ、
それらがこの方の作品の美点だと思っていて、
苦しいけれど見たくなる、
かなえの、愛されたいもどかしさも、嫌われたくない苦しみも、
自己肯定感が低く自分の事しか考えていなかった学生時代は私もこ
苦しみや生きづらさの原因について理由が分かっている人には強く
そういう事について考えたりそもそも感じた事がない人には、
この作品は家庭の不和がベースとして、
誰かに真っすぐに愛される経験が無ければ、
援助交際の現場を見られても、『真っ当な』
最底辺の境遇から救いもない展開の多いバカうどん先生の作品。
1巻完結かと思ったらまさかの展開で続くみたいなので、
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