人間力以上に重要な、文章力―伝わる!バズる!稼ぐ!文章術
『伝わる!バズる!稼ぐ!文章術』尾藤克之(著)(秀和システム)
伝わる!バズる!稼ぐ!文章術:概略
コロナ禍で成功するキモは文章力にある
新型コロナウイルス感染拡大の影響によって私たちの生活は一変しました。
コミュニケーションスタイルも大きく変わりリモートワーク化が一気に進んでいます。
コロナ禍で最も必要とされる能力とはなにか。
それは「文章力」ではないかと考えています。
(中略)
いま、文章力はビジネスを成功させる必須の要件といっても過言ではありません。
シンプルにわかりやすく、人を動かせる文章こそがビジネスの主導権を握るのです。
もし、自らの文章力に自信がないなら、いちはやくそれを身に付けなければなりません。
アフターコロナにおいて、文章力は「その他大勢から抜け出す」重要なスキルになることを意味しています。
引用元:伝わる!バズる!稼ぐ!文章術 はじめに
伝わる!バズる!稼ぐ!文章術:読み方
1章から6章まで構成されており、ページ数は203ページ。
1章の特徴は、コロナ禍で求められる文章力と、SNSごとの特徴が網羅されています。
2章では、副業について。ライターの種類についても詳述されています。
3章では、読まれる文章を書くためのスキルと心構え。
4章は多くの人が好む文章の特徴を解説。
5章では、失敗する文章の法則について解説され、6章ではSNS(主にツイッター)を活用する方法が記載されています。
筆者なりに気になった見どころを、いくつかピックアップしていきたいと思います。
悪魔のような冷静さを忘れない
そして、気をつけなければいけないことがあります。
読者に気持ちよく文章を読んでもらうには、相手を不快にさせないための配慮が必要になります。
先日開催された東京五輪でも選手への誹謗中傷が問題視されました。
このような文章は読んでいて気持ちのいいものではありません。
また明らかな中傷でなくても、単刀直入すぎる(ズケズケと言い過ぎる)など小さな不快ポイントがあると読者は離れていきます。
引用元:伝わる!バズる!稼ぐ!文章術 2章
2021年に開催された東京オリンピック2020では、選手への心無い誹謗中傷が話題となりましたよね。
ここまでの誹謗中傷をする人はそうそう居ないと思っていますが、
冷静に文を綴る
というのは、ビジネス面での文章作成においても、SNSをプライベート利用する際にも、そして副業で文章作成をする点においても、大いに重要になってくると感じました。
とくにSNSは思いついたら即文字を打ちこんで投稿できるクイックアクセスが魅力であり操作性の利点でもありますが、じっくり時間をかけるとか、おおやけの目に晒してもよい内容かを吟味するのが苦手な人にとっては不向きなツールだったりもしますよね。
そのため、
書いた内容を一晩寝かせる
または、
予約投稿にして、下書き画面で少し寝かせる
という、いずれにせよ時間をかけることが重要となりそうです。
中国の格言に、
綸言汗の如し(りんげんあせのごとし)
という言葉があります。
一度発した言葉(や文字)は体から出た汗のように、自分の中に戻すことが出来ないという意味だったりします。
多くの人が言葉や文に触れる時代ですので、悪魔のような冷静さ、または言葉を汗のように取り消すことが出来ないものとして扱っていきたいですね。
「思わず読んでしまう文章」は視点が9割
音楽でいえば「最初の10秒」、お笑いの「最初の10秒」なども同じです。
この10秒は、相手の期待感を育てる重要な役割を担っています。
書き出しを調べるなら、最初は文学作品を参考にしてみましょう。
引用元:伝わる!バズる!稼ぐ!文章術 3章
こちらでは村上龍氏のデビュー作、【限りなく透明に近いブルー】と、安部公房の【壁】が引用され、その巧みな寓意的表現によって、物語に引き込まれてしまいそうになります。
文学作品の書き出しには様々なテクニックが隠されていると筆者は説明し、その書き出しを読むだけでも文章を綴るヒントを得られるとのこと。
文学作品にはほとんど触れたことがないので、さわりだけでも読むと、その情景がありありと浮かぶようで、とても参考になります。
アナタのウリをどのように伝えるか
誰に向けた文章なのか、どういう行動をうながしたいのかなどを想定することは、文章を書く上で大きな意味を持ちます。
文章を書きはじめてからも、言葉や表現に迷うことがあったらいったん立ち止まり、ターゲットを再確認することをおすすめします。
慣れてくれば、ターゲットの顔、ライフスタイルなどを細かく具体的にイメージできるようになるはずです。
引用元:伝わる!バズる!稼ぐ!文章術 5章
その文章を書くことによって、
- 影響を与えたい相手
- うながしたい行動
を明確にすることって非常に重要だと感じます。
『自分に対して言われている』
と思えたとき、文章の巧さを超えてメッセージ性がダイレクトに伝わり、思わず行動を起こしてしまいますよね。
私は悩みにアプローチするような商品を見た時、またそれに関する詳しいレビューを読んだときに迷わず購入してしまいます笑
ブログ運営において、一緒に仕事をしていた同期で文章の上手い人にコツを訊いたら
- 顔だち
- 性格
- 趣味
- 家族構成
- 仕事
- 悩み
などなどを想定して書くと言っていました。
このあたりはイメージでもいいそうですが、伝えたい相手に伝えたい内容を細かくイメージすることが大事だそうで、今でも参考にさせてもらっています。
文章は見た目が9割
文字だらけの文章は読む気が半減します。
1行20文程度で表示されるスマホ画面では、文字が多くなると画面がいっぱいになってしまいます。
「その記事がどうしても読みたい」のであればいいですが、そうでなければ、冒頭の一文すら読まれない可能性が大です。
読みやすく改善するためには、一文は、40文字以内、文章のひとかたまり(段落)は140字程度に抑えて、改行するというたったこれだけで適度に行間が空いて、文章がとても読みやすくなります。
引用元:伝わる!バズる!稼ぐ!文章術 6章
スマートフォンの利用時間は、
MMD研究所が発表したスマートフォンを所有する15歳~59歳の男女を対象に実施した「2019年版:スマートフォン利用者実態調査」の結果によれば、スマートフォン(スマホ)の利用時間を尋ねたところ、「2時間以上3時間未満」(21.8%)が最も多く、「1時間以上2時間未満」(16.9%)が続いた。
引用元:スマホの利用時間はどのくらい?MMD研究所が利用実態を調査
とのことで、20~50代で見ると、2時間以上3時間未満という数字が妥当なようです。
人によっては5時間、またまた10時間という例もあるようですが…。
多くの人がテキスト(文章)を読むとき、スマートフォンからということを考えると、文字いっぱいの画面にしない方が無難だということなんですね。
確かに個人サイトやメディアサイトを見ていても、適度に見出しや文字装飾があると読みやすいですし、読み終わるのにどれだけ時間がかかるのだろう?というのは常に気になってしまいます。
読み手への配慮を忘れないようにしたいものです。
伝わる!バズる!稼ぐ!文章術:感想
尾藤克之先生、ご献本頂きありがとうございます。
ご献本頂いた本は今回で6度目で、出版された冊数は今回でなんと18冊に上るそうです。
…
帯文にあった、『大人にふさわしい文章力』を身に付けるための基本
と銘打ってあるとおり、文章を綴るにおいての基本が学べたように思います。
読まれる文章
とは、テクニックも大事ですがそれよりも何を思って言葉に変換するか?
の方が大事だということに気付けたように思います。
文章について学びたい方にぜひ!
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