ついに交際スタート!?―Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の変革
『Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の変革』ゆきた志(著) 集英社オレンジ文庫
あらすじ
”絶世のブス”ながらウェディングプランナーとして活躍するわたし、北条香澄は、たいへん不本意ながら、”意識の高いB専”久世課長と付き合うことになってしまった。
彼氏彼女の距離がわからず戸惑うなか、外部のウェディングプロデュース会社と共同で披露宴を企画することに。
最先端の演出に感銘を受けていた矢先、新郎が「結婚式をしたくない」と言い出して…。
(5巻裏表紙より引用)
恋愛と結婚が切り離せないお年頃
わたしもーーー課長と付き合ったりしたら、人生が変わってしまうと思う。
予想もつかないほどに大きく、怖いくらいに。
今だってそうだ。
課長が現れてからというもの、わたしの平穏は乱されっぱなし。
お陰で、一本道だったはずの未来は複雑に枝分かれして、どこをどう歩けばいいのか分からなくなってしまった。
世の大人達は皆、こんな怖い思いをしながら誰かと付き合っているのだろうか。
引用元:Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の変革
前巻にて、いよいよお付き合いがスタートした香澄と久世課長!
言質取りみたいな形でスタートしているので、
香澄:『眉目秀麗にして才気煥発、人間の粋を極めたごとき男性にしてわたしの上司、久世貴嗣さんは、実はわたしの恋人(?)だ。数日前から付き合っている(?)。』
と、スタートしているにも関わらず、疑問符でいっぱいの関係(笑)
課長から書類を渡してくる際も、
〈今日もブスですね〉
とそっと付箋を忍ばせてきたり、恋人らしく(?)調子に乗ってしまう久世課長。
この関係を受け入れてはいるけれど、容姿を罵られること(課長からすれば賞賛)に腹を立てているので、この数々の付箋をいつかセクハラで訴えることができるかも…と証拠集めをしている相変わらずの香澄にも笑いました。全然デレない!
お見合い結婚をするお客様の登場、婚活アプリで相手探しをする後輩、結婚について物申す(?)先輩バツイチの玲子さん言葉に、
香澄:『社会人になってからは、付き合う相手で人生が変わるーーーもっちさんの言葉は、わたしの胸にも突き刺さった。』
と、独身街道を歩むつもりだったのに、課長の登場でかき乱されている現状を冷静に考えたり…。
誰かと人生を歩むと決めることって、安心できるようで実はとっても怖いことだったりしますよね。
自分の容姿を誰よりも自覚している香澄だからこその言葉。
突っ走ってハリーウィンストン!
『あの…何ですかそれ? フェア用の展示品?』
課長はいつの間にかきらきらと輝くダイヤの指輪を取り出している。
それを片手に持ち、もう片方の手でそっとわたしの左手を取った。
『展示品じゃありません、僕から香澄さんへの、正真正銘の婚約指輪です。ハリーウィンストン』
『馬鹿ですか!』
引用元:Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の変革
香澄の『馬鹿ですか!』大好きwww
職場では一応ただの上司と部下というはずなのに、付き合い始めてから一度もプライベートをともにしない香澄にしびれを切らした課長が、一人きりになった香澄に迫るというね。
付き合っているのに変態な感じのする課長、嫌いじゃないけど距離を詰めるためにハリーウィンストン買ってきちゃって!笑
もちろん香澄は受け取らないどころか、
『返してこい!』
と返す始末wwwすきwww
こういうのに簡単になびかないどころか、課長相手には肝っ玉母さんみたいにリアクションしちゃうカスミンが大好きですわ…
バンケットの弱点を解消する手立て
香澄:『課長は上司として、もう十分すぎるくらいやってくださっていますよ。課長のお陰で、こうして円満にレ・アールも使わせてもらえるようになったんですし。』
課長:『円満に…最初からいけばいいがな』
課長の漏らした呟きーーその意味が分からずに、わたしは小首を傾げる。
引用元:Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の変革
婚礼会場の弱点、それは解放感(窓)がないこと。
それをカバーするべく、キャンドルや光の演出もあるそうなんだけれど、最近はそういうサービスに惹かれる方が少ないこと、解放感のある婚礼会場に決めてしまう方が多いそう。
かねてより、眺望最高の11階レストラン【レ・アール】での婚礼ができないか願っていた面々。
課長が就任してからレストラン部のマネージャーに取り合ってくれ、いよいよ実現段階…というところで、芳しくない課長の反応。
上の者同士の取り決めでも、現場はどうか?ってことありますもんね。
同じ会社だとしても部門同士でライバル(収益が違うので)ってことはよくある話です。
こちらのお話では、レストランの料飲部に香澄の同期・神山がいるものの、婚礼課のウェディングプランを良く思っていないため、熱くバトルを繰り広げてしまいます。
本社、支配人、レストランマネージャーを説得するために奔走した久世課長は案の定風邪で倒れてしまうんですが、これは香澄が看病する流れだろうと予想出来ました!
忙しくしていたために接点が減って少し寂しがる香澄も可愛かった(笑)
ウェディングの配膳スタッフとして派遣業をしていた私にとって、この辺りを読むのは当時を思い出してとても楽しかったです。
料理を出すタイミングやバッシング、ドリンク提供など…。
それを一緒に行う仲間とのやり取りとか…(たぶんあったはず)。
神山と香澄、手を取り合って仕事をすることが出来るのか?
ハラハラしながらページをめくりましたが、怒涛の展開&レストラン部門の課題など、興味深く、そして面白く読ませて頂きました。
もう、いつまでも読んでいたい面白さ!
縮まる距離?
面目ないですが、体調不良で早退しました
今一人きりで家にいます。身体が弱ると心も弱るようです、とても心細いです
ですが僕は幸せです。こんなときに、きっと駆け付けて恋人がいるのですから
あなたの恋人 久世貴嗣より
最後に住所と、地図のリンク
引用元:Bの戦場 さいたま新都心ブライダル課の変革
天高くそびえる駅近のタワーマンションにやってきた香澄。
付き合い立てだし、家に行くのはちょっと…みたいなのが一掃(?)された課長からのメッセージに、色々と買い込んで向かう面倒見のいい彼女(笑)
こういう看病ネタ、キャラクター同士の距離がググっと縮まるので大好物ですし、案の定二人の距離も…うん…縮まったはずです(?)
婚約指輪は受け取らなかった香澄。
だけど、クリスマスプレゼントは…な展開に胸の高鳴りが止まりませんでした!
いよいよ次で最終巻…………………
最後までお付き合いくださいね!!!
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