誰かの為ではなく自分の為に生きる勇気ー春の呪い 2巻
『春の呪い 2巻』小西 明日翔 (著) IDコミックス ZERO-SUMコミックス(一迅社)
春の呪い 2巻:あらすじ
たとえ、呪い殺されても。
果ては地獄でも。
あなたと二人なら。
亡き妹・春への執着から、無自覚に冬吾を傷つけていたことを自覚する夏美。
罪悪感に苦悩する中、夏美は「アキ」という名でSNSに綴られて
病への不安と共に記された、姉・夏美と
恋人・冬吾への想いはーー。
衝撃のラブストーリー、堂々完結!!
(裏表紙より引用)
春の呪い 1巻はこちらから
春の呪い 2巻:みどころ
「ふたりとも…周りをよく見てるんだ…」
「春と行った場所を巡る」条件で付き合っていた夏美と冬吾。
デート先が尽きた時、また、
自分の言動が冬吾を傷付けていた事に後から気付いた夏美は、
そこへ綴られていたのは、病気への不安と、姉への思い、
夏美も知らない春の生身の感情に、日記を読む手が止まらない…。
「死んだ人間にフられるとは…」
「姉と恋人はお似合いに見える。
病に勝てず、恋人と添い遂げる事も出来ない事を悟った春は、
何が何でも二人を引き離したい。
地獄へ道連れにするなら姉を、
恋人だけは生きて幸せになって欲しい、
だから写真だけでも棺の中で一緒になりたい
春の紛れも無い本音だった。
「ーー後ろを振り向くことすらできない」
なぜ、春が死んだ時に冬吾と付き合うのをokしてしまったんだろ
春のことを本当に思っていればそんな事は出来ないはずなのに。
付き合う前の自分に戻りたい。
冬吾といて、楽しいと感じてしまっていた自分を悔いる夏美。
あんなにも会いたいと思っていた春に、今は顔向けできない…と思
「一生許してもらえないのに柊さんと一緒にいても 春のことを思って辛くなるだけだわ」
生きていたら、気持ちを打ち明けたり喧嘩ができるけど、
春が死んだという事実が夏美に重くのし掛かる。
死をどう受け入れるのか、夏美が母の言葉に何を思うのか…。
言われなくても散々分かりきっていたこと。
冬吾を想っていた頃の春に似てきた夏美。
わずかな変化に気付いた母が、夏美を不幸にしまいと足掻くが…。
「俺は あいつに会いたいのか」
別れた冬吾もまた、苦しんでいた。
立ち止まる気持ちとは裏腹に、新しい婚約者をあてがわれるも、
婚約者とのデート中、
まさか、夏美なんじゃ…と焦るさなか、
飛び込んだ女性は夏美ではなかった。
冬吾が怪我をしたという報せは夏美の耳へも届いた。
「春だけでなく あの人まで失ってしまったら…」
会うまいと決めていたのに、居ても立っても居られず、
再び巡りあう冬吾と夏美ーー。
二人の想いは…。
春の呪い 2巻:感想
スパッと終わってしまったので、もう少し読みたかったかな…とい
レビューにもそういう意見がチラホラ。
とはいえ、この作品の雰囲気は大好きです。
陰鬱としているのにどこか笑えて、物悲しい。
死人に口なし、死んだ人へ恥ずかしくない、
何処かで彼/彼女が見ている気がしちゃうんだよね。
夏美が感じる後ろめたさ、罪悪感、
それが成長なのか時間の経過なのか?
誰にも分からない。
正しく生きるより自分たちの思いを優先させた二人。
幸せになって欲しいな。
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