噓つき同士の情事は“妊娠”を機に割かれる――ついに真実へ突き進む二人!
『あいだにはたち 4巻』 さおとめ やぎ(著)モーニングKC(講談社)
【あらすじ】
「高校生から精子を盗んだ私はとんでもない犯罪者ね」
大学院生の兄の立場を借りて、38歳の超美人・ミサさんとのセフレ関係に溺れる18歳の男子高校生・高江玲於奈。
受験勉強に励む玲於奈は、成績が上がるまでの間「ミサ断ち」を決意する。
一方、妊娠の機会を逃したくないミサは、あの手この手で彼の精子を得るも妊娠には至らない。
38歳の彼女に残されたチャンスはあと僅か……。
ミサは玲於奈との関係に終止符を打とうとするが、彼が「高校生」だという衝撃の事実を知ってしまう。
(この本の情報 より引用)
☆これまでのあらすじ
進学校に通う男子高校生の玲於奈は、ある日道端で知り合った美女・ミサさんからのお誘いでセフレ関係となる。
年齢を18歳から25歳とだまして付き合っていたが、ミサさんもまた、噓つきの一人。
ミサさんの目的は、精子泥棒によって【優秀な遺伝子】をもらうこと。
【みどころ】
『ミサさん……?』
玲於奈の想いが高まってきたのを境目に、セフレ関係を清算しようとしたミサさん。
一方的に別れを告げられる事態に耐えきれず、玲於奈は身分詐称していた事実を告げてしまう。
25歳の大学院生ではなく、
18歳の高校生であると…。
衝撃の事実を知ったミサさんは、玲於奈の前から忽然と姿を消す。
『私は緊急避妊薬を飲まない』
精子泥棒をしている自覚はあったが、
それ以上に、高校生(未成年)と淫行をしていたという事実が重くのしかかる。
すぐさま緊急避妊薬を処方してもらいに行くが…。
【ママ活】のニュースを観て自分の行動を重ねるミサさん。
お金を貰ってデートをしたくらいで騒ぎになるなら、
『高校生から精子を盗んだ私はとんでもない犯罪者』
と反芻する。
もしも玲於奈が今回の件で通報するようなら、
職を失ったり万全な体勢での育児が難しいことを予想するが…
年が明ければ39歳、もう一度、ゼロから妊活をする猶予は残されていない。
彼が高校生であったこと以外、スペックになんら不満はない。
子どものためにも少しでも優秀な遺伝子が欲しかったミサさんの決断は、
着床を疎外しないこと。
『だってその女は 高校生と淫行してたという事実を知ってしまったんだろ』
泣きはらしたことで、ミサさんとの関係が終わったことを一作に知られる玲於奈。
LINEブロックやSNSをやっていないことから、ミサさんと連絡を取ること、消息を掴むことは困難かと思われたが…。
玲於奈が高校生であることこそが、ミサさんにとっての最大の弱点であり脅しにも使えると助言する名探偵・一作笑
『僕はこの前まで童貞だったのに 女性を妊娠させてしまったのか?』
手段を選ばなければ会えることが分かった玲於奈は居ても立っても居られず、
ミサさんの家を尋ねてしまう。
そこにいたのは、ミサさんではなく、ミサさんを付け回すストーカーの男。
彼と接触したことで、
ミサさんが引っ越していたこと、
そして掲示板を使って精子提供者を募っていたこと、
を知ってしまう。
自分が高校生だったから振られたと思っていたけれど…
ミサさんの付いていた嘘や裏の目的を知って、益々混乱を極める玲於奈。
この時点で入試まで1ヶ月ちょい、集中なんか出来るわけがない( ;∀;)
『やっと妊娠できた……もうひとりじゃないんだ……』
12月23日のセックスから、次の生理予定日をまつ1月10日過ぎ。
もし陰性なら、
精子提供者をまた一から探して、下がり続ける妊娠率に怯えながら子作り…
もし陽性なら、
高校生から無理やり子種を搾取して妊娠した子を通報に怯えながら育てることに…
…どちらに転んでも辛い状況ではあるけれど…
しかしついに、
結果は陽性、ミサさん待望の妊娠!!!
『何かに役立つから研究や調査をするのではない 科学者たるものいかなる場合も真実の追及が常に第一義的なのだ!』
ミサさんのストーカーに加えて元交際相手に接触したことにより、
彼女が吐いていた嘘や隠していた真実の欠片を手にしていく玲於奈。
と同時に、混乱を極める弟に救いの手を差し出したのは兄の一作。
交際相手の大学から同級生、発音と名前が一致する者をあぶり出し、
本名と連絡先、勤務先を割り出すことに成功する。
玲於奈のことをすべて受け止め、時に厳しく接してきた頼れる兄ちゃん。
4巻では、入試を控えナイーブにもなっている彼に代わって、
ミサさんについて情報を集めたり、これまでの行動から分析したり、めちゃ活躍!
今後兄ちゃんにも良いこと起きないかな…笑
『君とは元の生徒と指導者の関係でいたいんだ』
12年前の冬、ミサさん26歳。
22歳の時から4年付き合った大学教授を深く愛していたが、離婚できないことを理由に、一方的に捨てられてしまう。
傷心のミサさんの目に留まった黒のダッチウサギ、【ミサ】と名付けた。
ミサさんの偽名はここから貰ったと推測される。
そのあとに付き合った恋人にも二股をかけられ、男運の無さを自覚しているミサさん。
だからこそ、もう男も愛も要らない、と心に決めているーー。
26歳の時の失恋、38歳で玲於奈と出会うまでの男運の無さ…。
超美人なのにそんなに不幸が続くものだろうか?と、この設定はいささか無理を感じる。
まあ獣医さんだから忙しいだろうし、一人と付き合うと長くて、次が見つかるまでも長いとかあるのかな?
玲於奈みたいなタイプを初めから選んでいれば、何もかも順調でストレートに幸せになれていた気もする…。
『ミサさんの彼氏になりたいんだ』
入試を翌日に控えた玲於奈。
一作の調べた、ミサさんの本名と勤務先…。
今は大事な時期だから、会いに行くべきじゃないと言い聞かせるが、
あれほど強烈な印象を残した女性がそう簡単に自分の中から消えてくれるはずもなく…。
大学進学したとして、その先のことを考えたとき。
やりたいことは何も無いけれど、もしこれから何にでもなれるとしたら…
ミサさんと一緒にいたいと強く、穏やかに思う自分がいた。
あれほど傷つけられて振り回されたはずなのに、どうしても惹かれてしまう玲於奈…。
足はミサさんの職場へ…!
いよいよ決戦か!?
【感想】
4巻、これまでのことに辻褄があって、謎も色々分かり、スッキリしたと同時に数々の衝撃を感じた巻でした!
朝5時に読んで、ようやくまとまったのは13時半…。
何回読んだか分かりません…笑
玲於奈は、進学校に通う普通の高校生という設定だったけれど…
ミサさんとの経験を通じて、控えめで優しいけれどここぞという時に頼りがいのある、
男の子から男性へと成長していっています。
たぶんミサさんの目からみても、少しずつ玲於奈の美点や良さが伝わっているからこそ、
他の精子提供者とは違うなーと感じるきっかけにもなったのでは?
ただ精子を提供してもらうだけじゃなく、デートしたりと少なくとも心の交流があるのもポイントだとは思いますが。
恋愛に疲れた女子と、経験の浅い男子の噓つきラブがこんなに相性いいなんて作者さんの視点は神…?
表紙と作品の雰囲気に惹かれて読み始めた作品ですが、思いの外ハマって今では大好きな作品の一つ!
次の巻が待ち遠しい…。
コミックDAYSサイトでは最初の何話かと最新が読めるので、気になった方はぜひ!
5巻発売日は早くて8月、それか9月にはでそうな気がします!
(刊行ペースが2~3ヶ月なので)
今日もお読みいただきありがとうございました(∩´∀`)∩♪
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