希一の転落、真希子と母それぞれのSNSアカが登場?―御手洗家、炎上する4巻

2019-03-28

『御手洗家、炎上する 4巻』藤沢 もやし(著)KC KISS(講談社)

【あらすじ】

母親がすべての罪を背負った13年前の家事の真相を突き止めるべく、

村田杏子は「山内しずか」と偽名を使い、家事代行として御手洗家に潜入した。

気難しい後妻の真希子に自分を売り込み、徐々に信頼を獲得しながら、

御手洗家の探索を続ける杏子。

しかし、真希子の長男・希一に正体を知られ窮地に陥るが、

逆に希一に「あの火事の日に何があったか教えてやる」と提案される。

その真意は分からぬままで…!?

(この本の情報    より引用)

【みどころ】

藤沢 もやし:御手洗家、炎上する 4巻(講談社)

『黙れっつったんだよ このクソニートが』

 

13年前の家事の真実

を探るべく、希一リードでとある場所に出かけるはずが、

一歩踏み出した途端に

外の情報量にやられ、

高校の頃の同級生がいたという被害妄想にやられ、

家族と衝突してへこんでいる…

 

という、へこたれやすい&弱音吐きまくりの希一についにキレた杏子笑

外に出て実感した、引き篭もっている間にどれだけ世間から取り残されたかということ、

周回遅れの人生を生きる絶望感…

あれこれ思うのかも知れないけれど、そんな希一を黙らせて、カビ臭い部屋を一緒に掃除する。

 

藤沢 もやし:御手洗家、炎上する 4巻(講談社)

『いま私の人生を歩いてるのは私で』

 

自分を卑下するなという杏子だけど、希一の頭には『今までの人生で他人に言われた言葉』が浮かんできては自分もそれを口にし、卑下してしまうという。

 

そんな彼に杏子は、

中学の時に同じような経験をしたと話す。

人の人生をとやかく言うやつの言葉を受け入れることのメリットはないし、

それどころか、認めるたびに苦しかったという杏子は、それ以来気にするのを止めたし、自分の人生は自分で決める。

と前を向いて歩いてきた。

そんな杏子の姿は、希一の目にはどう映っただろう?

 

藤沢 もやし:御手洗家、炎上する 4巻(講談社)

『…本当に後悔ばかりの人生だよ』

 

慎二に連れられて以降、自ら連絡をとって父親に会いに行った柚子。

それは、真希子のアカウントを見つけたように、母親のSNSアカウントが無いか、父から見た母の好きなもの・属性などのキーワードを探るため。

そして父と話しているうちに、彼が今の家族との距離感に戸惑っていることが判明。

長男の希一が引き篭もるようになって、真希子が彼の面倒をひとりで見ると言い出してから少しこじれているらしい。

真希子の仕事が芸能関係なこともあり、生活のリズムも合わないのだとか。

 

そして、mixiに登録していた母は、時折オフ会に参加しようとしていたが、断固反対した父は家のこと・近所づきあい・家族経営の病院の事務を彼女に任せ家に閉じ込めた。

姉妹が小学校に入ったころから、夫婦の間にすれ違いが起きていた。

なーんか父親の話が胡散臭いんだよなぁ

一番の黒幕だったりしない?笑

 

藤沢 もやし:御手洗家、炎上する 4巻(講談社)

『俺の親が再婚した途端 みんな一斉に俺のこと切り捨てただろ』

 

一方そのころの杏子は、希一と目的を果たすのではなく…。

彼が外に慣れるように、一緒に付近を散策していた。

ふとしたきっかけで希一の同級生に会った二人。

そこで、再婚したあとに希一に起きたことを知るとに。

慎二が通う医学部に現役合格していたこと、

真希子が希一の友人たちにお金を渡して、関係を切っていたこと、

それで生じた友人たちの戸惑いと苛立ち、それが希一を仲間外れにし、

突き放した。

 

藤沢 もやし:御手洗家、炎上する 4巻(講談社)

『あなたは素敵です!』

高校で居場所を無くした希一は不登校になりつつも、自宅で必死に勉強して医学部にストレート合格する。

しかしそんな努力も空しく、

ネットに【裏口入学】を指摘され、顔と本名を晒され2ヶ月で退学。

現役合格を疑った真希子が学校に払っていたらしい。

実際に受かっていたのに親の行動で台無しにされ、そこから10年引きもこもることに。

再婚して以降の希一の人生は、真希子の手によってコントロールされ、縛られるばかり。

そんな母に抵抗しないのか尋ねると、

『確かにさんざん恨んできた』

『でも結局 俺の人生をダメにしたのは俺自身なんだ』

10年間、引き篭もって何もしてこなかった自分には本当に何もない…と卑下するが杏子は、

そうなる前の希一を知っているし、今だって見捨てた態度を取っていない。

かつて彼に憧れていた自分の気持ちを正面切ってぶつける。

 

 

藤沢 もやし:御手洗家、炎上する 4巻(講談社)

『……真希子が…』

杏子に内緒で父親に会い続ける柚子。

どうしても、彼の本当の姿が知りたいから。

離婚して以降、つらい目に遭わせたこと、母が今現在入院していることなどを話す二人だが…。

父はいまだに、母が恨んでいるんじゃないかと口にする。

母親の皐月が当時、家族に父親の悪口を言っていた、自分を苦しめる家など無くなればいい

と言っていたと真希子から吹き込まれていたらしい父親。

二人の仲を引き裂くデタラメを真希子が作り上げた…。?

 

藤沢 もやし:御手洗家、炎上する 4巻(講談社)

『――なんかつらいね このブログ』

 

友人のクレアが見つけた真希子のブログ。

【Maiの日々ブログ】というタイトルの日記には、ささやかな幸せを見つけてはそれを大切するような素朴なブログだったのに、

『ママ友のAさん』と出会ってからどんどん魅了され、同時に自分を卑下していく。

もしこれが本当に真希子の書いたものなら、母・皐月に魅了され、自分の人生を蔑ろにしていったのかも知れない…と推測する。

自分と異なる境遇・性格を、

違ったまま尊重するのか、

自分と比べていくのか。

 

藤沢 もやし:御手洗家、炎上する 4巻(講談社)

『――だから思ったんですよね 私』

土砂降りの中、タクシーに乗っていた真希子。

運転手に芸能人であることをきっかけに話しかけられ、過去に

本当に綺麗なお金持ちの奥さんと友達になったことがある

その人がやっているブログを読んで話を合わせて、距離を縮めた

この人と居れば自分のしみったれた人生を変えられるんじゃないかってーー。

と回想する。

でも、憧れた彼女は【旦那と子どもの世話をするためだけのただの専業主婦】でしかなく期待外れ。

そのうえ、恵まれた境遇にありながら愚痴をこぼす彼女の人生、

自分の方がうまく生きられるな

と、気付く。

 

乗っ取られた母の人生を、

取り戻せるのかーー?

 

 

【感想】

3/13配信で、今日読みました!

ジェットコースターでいうところの、頂上を降り始めたくらいの緊張感と高揚感がいよいよ漂ってきました(∩´∀`)∩!

それぞれのキャラクターが、展開が動き始めた感じですね、4巻は。

 

杏子と希一の立場がまた逆転し、

慎二なりに「山内しずか」を探ってみたり、

柚子があてにする「お父さん」は、味方なのか敵なのか分からなかったりで…

めちゃくちゃ面白かった!

 

過去の日記を探ってみたりとかの展開も良いですね、当時の母たちの思惑、相手に対する思い、そういうの好きです笑

今回はだいぶ危ない展開でラストを迎えているんですが、次がどうなるのかめちゃくちゃ気になる…!

 

4巻時点で予想ですが、

・真希子が母(皐月)を追い詰めたことは確か

・皐月の夫(姉妹の父)に取り入り、共謀して皐月を追い詰め火を付けさせた

・皐月が苦しんでいたので『家を燃やしてしまえばすべて終わる』とか吹き込んだ

・真希子がやったと思わせておいて実は逆

どんでん返し展開が何度もきているのと、途中までそう思わせておいて、ひっくり返すパターンが多いので、ミスリード狙ってるなら有り得そうな気がする…?

 

5巻は夏頃配信

 

待てない( ;∀;)

 

今日もお読みいただきありがとうございました!

あったかくなってきたと同時に、紫外線が気になりますね(>_<)

帽子をかぶると子どもが怖がるのでどうしたもんか…?笑

 

既刊リンク

藤沢 もやし

在りし日の追憶ーー記憶を辿るために動き出す

実父との再会場所に現れたのは―御手洗家、炎上する5巻

 

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